(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

凪のあすから 第四話 友達なんだから

2013年10月25日 | 凪のあすから
サブタイに偽り無し的な。

 そんな今回のお話は…
 あかりの彼氏が、あかりや自分に時々ちょっかいを出していた潮留美海の父、至であることを知った光。
 その事実に動揺するも、二人を別れさせるのに協力してと頼む美海に、邪魔をするのは嫌いだと告げる。
 翌日、家庭科の授業で、普段から家事をしている光は、鮮やかな手つきで料理を作っていく。楽しそうにする一同だったが、試食時には海村の班は孤立していた。
 まなかは勇気を出して他の班に料理を勧めるが、ぞんざいにあしらわれてしまう。それを見た光は思わず立ち上がろうとするが……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は冒頭に書きましたように、友達だから~という所をついてきていて、この歳になると若干青臭くは感じるものの、メインキャストは14歳(だったっけ?)なんだから、むしろこういう事で良いのだろうと思う。
 光の姉あかりの問題をメインどころの問題として据え置きつつ、細々としたイベントを発生させて事象を回してお話を作っている点は良く、前回にも書いたような気もしますが、世界はひとつの問題だけで回ってはいないので、なんやかんやが色々と放り込まれつつ、解決した事もあれば新たな問題が出てきたりして続きを気にさせてくれるんだから良く出来ている。
 今回としては、上記しましたように、あかりの問題を縦軸に置きつつ、それに付随する情報と事象を回して、海の村の学校が廃校になって陸に通うようになった光たちが少しずつ成長していっている様を描いている。
 まぁやっぱり、そういう点で印象深いのは主役である光で、一番最初に印象からすれば、彼はどんどんと子供から大人へと成長していっているように感じられる、ように作ってあるんだから見事。
 あらすじにあるように、家庭科の授業でまなかが勇気を出して陸の者との距離を縮めようとする中で、せっかく作ったちらし寿司をぶちまけられたという前フリがあったにせよ、壊されていたおじょしさまはきっとそいつらの所為だとして、真・女神転生IIIで言う所の突撃(分かりにくい表現/笑)を有無を言わさず喰らわしてしまうのだから、まだまだ子供ではあるんだけど、その後なんやかんやあって(なんやかんやを詳しく確とわけがわからなくなるので割愛)、まなかが自分は以前うろこ様に言われたように守られてばっかりで、今度はひかりを守るからと涙するところでは、随分と冷静に、そして客観的に自分とまなか、そして周囲を見れて考えている。
 そういう事から考えて、おそらくはこういう子供から子供じゃない何か(大人じゃないんだよねー)に成長していく様子を一番に描きたいのだろうということがよく分かる。あかりの問題を発端にして、色々と付随する問題に晒される中で、光がこれまでと同じままではいられない、自然と子供ではなくなっていく彼を丁寧に描いているのではなかろうか。

 お話としては、けっこうな「青☆春」(なんだコレ/笑)的な感じで、いざこざがあって謝って地固まる、その中で友達云々を入れ込んでくるという青臭い感じですが、その中でちさきが良いアクセントになっている。
 彼女はいかにも中学生的で、光やまなかほど子供でもないし、かなめほど大人びてはいなくて、おじょしさまを壊したのが同級生ではなく、ちびっ子久沼さゆだと分かって、この事は黙っていようなどと言ってしまう辺りの、子供ほど純真でなく大人ほど物わかりがよいわけでもない微妙なお年頃らしさを出してくれていて良い。
 劇中そうだったように、割と子供っぽいまなかや光は自分が間違っていたとならば謝ろうとなる。大人の自分としても、ここは変に策を弄するよりも素直に謝った方が後々の事を考えると振れ幅やリスクなどが少ないと考える。むしろ、ちさきの言う秘密にしてしまう方が後々のリスクが一番デカイわけだが、光が好きで好きでしようがない彼女は、彼をつらい目に遭わせたくない一心で周りが見えなくなってしまうのだ。
 そして事の顛末を見届けたちさきは、自分の選択が間違いであった事に気付き、なにか物思う事があったようでだった。う~ん。まぁおそらくは、自分がよかれと思った事では光を守る事は出来なかった事を思い知ってしまったので、自分が全然ダメであったことと、まなかとの差をまざまざと見せつけられた格好になったので、まなかも好きなちさきはモヤーッとしてしまうのも頷ける。その辺のスパッと割り切れない所がお年頃なわけで、このちさきが胸に抱えるモヤモヤ感を上手く見せている。
 ちさきは身体も発育していて思考も割と大人っぽいのだけど、それは光山中と比較しての話なので、極一般的に見れば、彼女は実にお年頃らしいお年頃なのだ。この歳になったから言えますが、正直この辺のお年頃ってのは……バカですよねぇ(苦笑)。自分もそうだっただけに。
 中学生だった自分はなんか随分と大人になったと思っていたんですけど、世間一般的に見て、ぜぇ~ん然大人じゃないんですよねー。むしろ身体的には成長しているので、よりバカっぽく見えます。まぁそういう観点からして、ちさきを見て「バカだなぁ」と思ってしまうんですけど(広い意味で)、ああでも、自分も通ってきた道なので彼女のモヤモヤ感が分かって「ぬあ~」となります。作り手の術中にハマっているなと思いつつ(笑)。

 個人的に気になったのはやっぱり(?)ちびっ子達で、さゆの方はもうただ単におバカ(バカではなくおバカ)なのがかわいい(笑)。
 彼女なりに美海の事を考えてはいるのだけど、如何せんおバカなので、基本的に実になっていない。でもそこがむしろ小学三年生っぽく良い。やっていることはともあれ、さゆが美海の為に一生懸命なのがわかるのだ。
 いじめられていたさゆであったが、唯一いじめに加わらなかった美海。いじめがさゆから美海にシフトするのは分からんでもない話である。いじめの標的でなくなった事を内心ホッとしていたさゆであったが、変わらない美海にどうして平気なのか問うと、美海はなんとも思っていない人にどう思われても良いのだ言う。その言葉にさゆはいじめをしている子たちよりも、美海に大切な人と思われたいと言う。自分がいじめられてつらかった経緯がある分、美海の言葉とその姿勢に胸がズギューン!ときた。美海の大切な人足らんと必死である事が分かり、なんか微笑ましいのだ。
 分からないのは美海の方である。彼女が何を考えているのか今ひとつ読めないのだ。
 美海の死別した母は海村の人で、その人と進行のあったあかりは美海と家族ぐるみの付き合いをしていて、あかりにとって理想の家族であった。しかし母親が亡くなって悲しみに暮れる美海と夫を見て、あかりはふたりの仲にはいりたいと思った、と語っているが、劇中うろこ様の言う通りそれは客観的に見れば横恋慕である。
 まぁ横恋慕はさておき、こういう状況で美海がどう思っているか想像できない。何せ自分はそのような経験はなく、まぁ父とは死別しておりますが、今突然母が再婚しますとか言い出しても、良い大人になった身とすれば「ああ、そうなの?」くらいにしか思わん。まぁ要するに美海くらいの年頃の子供がこんな時に何を思うのかがさっぱり想像がつかないのである。
 しかも全く知らない人というわけではなく、知り合いのお姉さんという状況で、美海が反対するのは分からんでもでもないですけど、光に卑怯なやり口は好かんと言われ、なにか思うような事があったようなのだけど、どう関連しているのか全然ピンとこない。さゆが壊したおじょしさまを自分を壊したと言ったのは、まぁパッと思いつくのはさゆを庇ったとなりますが、それはあまりにも端的すぎるし、父の再婚云々を関わり無さ過ぎである。
 まぁそういうことから、美海があかりの問題のキーポイントになるであろうとは思うのですけど、自分としては経験値無さ過ぎて全くピンとこない分、どう転がっていくのかが楽しみです。

 ああ、それともうひとつ気になった事として、あかりとの会話の後、御霊火(こういう字なんだろうか)が激しく燃え、うろこ様が今はまだ海のものを陸にあげてはならない、と言っておりましたが、理由はともかく、物語の舞台に神的存在がいるとなると、何がどう転がっていくのかさっぱり想像がつきませんなぁ。
 まぁそれだけに続きが気になるということでもあるんですが。


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