青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

春しとど 濡れて和歌山 雨の朝。

2022年05月26日 22時00分00秒 | 南海電鉄

(物凄い析出物でした@花山温泉)

和歌山の夜は、駅前のビジホに荷物を投げ込んだ後、和歌山と言えばこの一湯って事で日前宮駅から歩いて花山温泉薬師の湯」へ行ったり、駅前の安居酒屋で酒飲んだりして過ごす。26℃の源泉から41℃の加温浴まで、成分濃厚なオレンジ色の鉄サビ臭強い含鉄強炭酸塩泉がドバドバだし、浴槽は石灰華で鍾乳洞みたいになってるし、人気あるのが分かる濃厚な湯でしたね。

翌朝。天気予報通りの雨。逆転での晴れ間を期待していたのだがそうはならなかった。ビジネスホテルのありきたりなバイキングの朝食を済ませ、飛び出した休日の雨の和歌山駅前は人も疎ら。とりあえず何しよう?ってのも天気が悪いのでノープランになっちまった。天気が良ければ、紀勢線でそのまま白浜~紀伊勝浦回りで名古屋に抜けて帰ろうかなとかアホな事まで考えておったのだが。

ひとまず悪天候でJRに用はなくなってしまったので、また紀勢本線ローカルで和歌山市駅に戻る。こうなるのであれば市駅の方に宿を取るべきであった。雨の朝の南海・和歌山市駅。加太行きの角ズームと、特急サザンなんば行きの7100系。分散冷房キセ、下枠交差前パン、そして幌付きの精悍な顔が実に凛々しい。昭和30~40年代に作られた私鉄車両ってのはどうしてこうも魅力的であるのか。そして、南海は全線に亘ってこの手の車両が未だに大手を振って跋扈している。高野線の6000系と本線の7100系は模型で飾っておきたいくらいだ。

GWながら、雨のせいで出鼻をくじかれたか、静かな和歌山市の朝。新旧のサザンを見送る。幌で繋がる一般車と特急車の境目は、格差社会の境目と言ったら大袈裟か。南海本線の優等列車、現在は関西国際空港へ向かう空港特急はラピート、そして和歌山市へ向かうのがサザン。「Southern」の名前の通り南の海を目指す列車ですが、その昔は南海も自社で気動車を仕立てて、和歌山市から国鉄に乗り入れ和歌山で天王寺発の「急行きのくに」と併結、南紀は白浜や新宮まで向かう列車もありましたね。

基本的にはなんばと和歌山市を結ぶ都市間特急である現行の「サザン」ではありますが、その中の何便かはここ和歌山市から先、和歌山港まで足を伸ばす列車があります。和歌山市の駅でManacaを通してから、どこに行こうか決まらずに駅でぼんやり時間を潰してしまったのだけど、何となくやって来たこの列車に乗って、本当の南海の終点の駅に行ってみようと思います。


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