(Now Constructions@電鉄富山駅)
2年後の高架化を見越し、現在は工事中の電鉄富山駅。電鉄富山から約1kmの区間を高架化し、市内中心部の立体交差化を進めるのだそうで。今までの櫛形3面4線の頭端式ホームは、高架化のためのスペースを確保するため、宇奈月方面に向かって右側奥に長く伸ばした仮設の2本のホームに挿げ替えられています。面白いのは、このホームをそれぞれ前後で2つ、縦列駐車のように使う事で4線を確保する構造になっている事です。当然ながら、ホームの真ん中には出発信号機もちゃんと備えられています。工事手順が富山市のHPに掲載されていましたが、高架化後は2面2線くらいの規模感になるのかな。あいの風とやま鉄道とホームの高さを揃えるそうですが、以前にあった国鉄からの渡り線は用意されるのかしら・・・
向かって右側が1・3番線、左側が2・4番線。縦列駐車になる場面を狙っていると、あっさりと乗って来たレッドアローの後ろにかぼちゃ京阪が進入して来た(笑)。地鉄のダイヤってのは、当然のことながら本線・立山線・上滝線の集中する電鉄富山~稲荷町間が一番過密になっておりまして、この区間だけは全線でも唯一複線になっているんですね。朝夕のラッシュ時間は、電鉄富山の駅の4線を折り返しで使いながら、この複線区間で列車のすれ違いを行うダイヤが結構あったと思うのですよ。そうなると、いくら縦列駐車で4線を確保していると言えども、奥の1・2番線に入れた車両は3・4番に電車入れちゃったら出せないし、スジ引くのもなかなか大変だったんじゃないかと。3・4番線に入った車両は、いったん稲荷町の洗浄線まで下げるケースが多いようですが。
縦列駐車になっている2・4番線を横目に、1番線にもダブルデッカーを抜かれた京阪特急色の10030形が入線して来ました。ダブルデッカーは稲荷町に置きっぱなしなんですが、優等運用は20020と16010の西武勢に任せ、車両が不足気味になっている一般運用を補充するためのサポート役に回っている様子。この日の前日、新相ノ木で10030形の1編成がモーター不調で故障しちゃったんですよね。地鉄の車両運用も結構カッツカツじゃないかなと。
西武&京阪。富山でコラボ。どちらも御年還暦近いながらも、東西にて一時代を築き上げた私鉄特急の名優たち。正直、この日の電鉄富山口はお目当ての60形の出番があまりなかったのは残念だったんですが(雷鳥カラーが稲荷で3編成+富山もようが検査入りではかなわん)、西武ファンとか京阪ファンはこういう並びで大いに盛り上がれるのでしょうね。
列車の縦列での停車を見る機会が殆どなく、特異な光景に映ります。
緻密なダイヤの設定など表に出てこない苦労もあってのことと思いますが、システマチックな信号によらずに、どこか路面電車的な目視でカツカツまで動かせる世界なのかなとイメージしたりもします。
だいぶ前の電鉄富山駅の記憶のままでしたので、今の駅の様子がつながらないですが、数年後に高架化されればもう別の駅のような感覚になりそうです。
その時に記憶と現実を繋いでくれるのが、(この先いつまでも)14760形のようなオリジナルの車両であって欲しいと願っています。
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