青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

親のフトコロ、子の事情。

2023年10月20日 22時00分00秒 | 養老鉄道

(養老耕土を行く@烏江~美濃高田間)

今年は夏が暑かったせいか稲の生育が早く、それでいて9月も暑かったもんだから、あんまり暑い中で実った稲穂をそのままにしておくのも悪くなってしまうという判断からか、どこも稲刈りが早かった。揖斐川の流れによってもたらされた肥沃な耕土によって作られた西濃の田園地帯。最後の稲刈りシーズンに間に合ったようで、半分くらい刈り入れが終わった田園に、乾燥のためかきれいに収穫後の稲が並べられていた。無人のコンバインが置かれた西濃の朝、この三連休で今日はもう半分をやっつける感じのご様子。刈り入れの途中で広大な田園が魅せる一瞬の幾何学アートを横目に、東急生まれの7700系が通り過ぎます。

養老線整備機構によって導入された7700系。3連タイプと2連タイプがそれぞれ3編成ずつ、計15両が養老鉄道で活躍中。大近鉄の旧型車(50年落ち)だけが渋く行ったり来ていた養老線に近鉄じゃない車両が来るのも驚きでしたが、いくら地方私鉄に実績のある東急のステンレス車とはいえ、同じ50年落ちの骨董モノの車両が導入されると報道された時は「マジかよ!」ってひっくり返ってしまったものですが、今やすっかり三岐両県の通勤の足。養老山地の西側の風景にもすっかり馴染んで、これはこれで養老鉄道の車両のバリエーションの一つかな、と好意的に受け入れております。

というか、元々の親玉でもある近鉄電車自体が、特急車はともかく一般車両の新陳代謝がなかなか進まないんですよね。名古屋線や大阪線で、それこそ50年落ちの車両が改造を受けながらでも頑張っている姿を見ると、養老線管理機構が「こりゃいつまで経っても車両回って来んな」と思ったとしても仕方がないところがある。ない袖は振れぬ親のフトコロ、そしてどうにかしたい子の事情は、このような形で決着したのでありますが、いつかまたかつての古巣の近鉄から車両が供給されることがあるとするなら、何が来るのだろう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋の西濃、山の辺を行く。 | トップ | 速いじゃないよ、ウサギだよ。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

養老鉄道」カテゴリの最新記事