プルーテルが亡くなって13年。67か68で死んだから生きていれば80か。仕事仲間でともにいい時代を過ごしたから忘れることはない。が、何かしてあげてないことがあるとずっと気になっていた。不思議なもんで家を片付けていたら「ここだよ」という感じで古い写真が出てきた。仕事で取材にいった山村で当時のスタッフと撮った写真だ。みんな若い。みんなラフな格好なのにテルちゃんだけスーツ。テルちゃんは何処へ行ってもスーツだったねと懐かしく思い起こしていたらそうだテルちゃんを描いて奥さんに持って行ってあげようと思った。それが一番奥さんが喜ぶだろうからと勝手に決めて油絵具を絞り出した。テルちゃんは水彩よりも油だよなとこれも勝手に決めて下書き無視で気の向くままにテルちゃんの顔を描いた。油絵って乾くまでに何日かかかるのよね。下塗りに3日かかってしまったから上塗りと仕上げは速乾性オイルでちょっと荒っぽくやった。まぁとぼけた顔。テルちゃんは元々とぼけた顔なんだ。と絵を持って額縁屋さんに。油絵の額縁って高いのよね。それに頑丈で重い。「極シンプルなのでいいから」と注文して額に入れてもらう。それを持ってテクテクと歩いてテルちゃんちへ。あれ、ここら辺だったのになと家が分からない。周りに家が建ったせいか年取ったせいか辺りをクルクル。丁度出くわせたおばさんに尋ねるとそこの角を左に行って突き当りと教えてくれた。ピンポーンと鳴らすとドアが開いて玉手箱をひっくり返したようなオバぁが出てきた。13年だもんな年取るはずだよ。髪の毛が真っ白でさ。最初は戸惑った。ようやく話がかみ合って珈琲をごちそうになりながら昔話に花を咲かせた。昨日ゴルフに行ってたとかで元気元気だった。オレの絵を早速仏前に飾って「うれしい」と言ってくれた。「テルちゃんは何処に行ってるか分からんけんど一応線香あげとこう」というと大笑い。帰りは僕の姿が見えなくなるまで見送ってくれた。人の付き合いってなんか面白いね。目に見えないものが突き動かすんだから良い方にさ。少なくとも僕の周りにいる人はみんな幸せにと思うばかりだ。
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