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フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

大変興奮しました

2014-09-06 07:44:46 | Weblog
この本を読んでから昔のメールを探してもう一度読んだ。メールって読み返すものじゃなくて時間で通り過ぎるものなのにアンティークからのメールを今一度読んでみたかった。
「とっても厳しかったけど常念岳の頂上に出ると穂高も槍も見えて大パノラマ。大変興奮しました。」7月30日のメールだ。彼女の感激度がにじみ出ている。キミはそこに立ったのかと常念岳のテッペンで叫んでいる彼女に思いを馳せる。「常念岳の頂からは北アルプスの雄大な眺めが望める。絶景として知られている」と昨日読んだ北村薫の「八月の六日間」という本の中の「十月の五日間」の中に書かれてあった。あっこれアンティークと同じコースじゃないかと読み終えてから彼女のメールを再度見たんだ。そしたら本の主人公とアンティークとテレビで見た常念岳が重なってなんだかいつもの登山隊で登っているような錯覚を覚えたんだ。作者もこのコースは大変キツイと書いてあった。それをアンティークは10キロちょっとのザックを背負い8時間かけて踏破したというから頂上でこの苦役から解放されたときに大パノラマに出会って感無量になったのもうなづける。登ったものだけが得られるご褒美なんだからと羨ましく思いながら本を読んだ。この本は山ガールというか山女の登山日記みたいな本だけどこの中で西村美佐子さんの歌集「風の風船」を教えてもらった。
「覚めてふとおもひいたれりわが夢にいまだに匂いのあらざりしこと」

アンティークも七月の四日間の山行きのことを帰ってからこんなふうな夢見たんじゃないかな。テントの匂いとかシェラカップの中のコーヒーの匂いとかコッフェルから流れる米の炊けた匂いとか。僕も北アルプスに行きたくなったなぁ。槍か穂高か。
コメント
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