無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

根をイメージしてみる【自然菜園スクール・実践コース】

2016-07-18 05:14:06 | 自然菜園スクール
本日、の予報。

昨日は、自然菜園スクール(旧:Azumino自給農スクール)の自然菜園実践コースの開催日でした。
午前中、ぱらっとが降りましたが、垣間見る晴れ間は既に夏の陽気。
梅雨ももう終わりのようです。


昨日の講座の内容をちょっとご紹介していこうと思います。

今まで、田んぼのご質問が多く、実際に今年仲間内の無農薬の田んぼを自然観察していたので、ついついブログが菜園ネタから田んぼネタが続きました。(笑)
個人的には、田畑の区別はなく、違いを活かしてその風土に一番合った形で育てたいものを自然に育つようにお世話させていただいております。

自然菜園・実践コースは受講生がとてもレベルが高く、拙著を読んで勉強していたり、実際にいろいろ勉強して実践している方が多くご質問も鋭く、
こちらも襟を正して真摯に向き合うからこそ、そこから自然と生まれる学びが深く生徒さん以上に勉強になっております。

この写真は、食用ホウズキの根本を撮った写真です。
2週間位前に畝全体に刈って敷いた草マルチで一度全部の草を抑えたはずが、株元の一部草が再生し、生え始めております。

その生え方が、まるで地上部の葉の展開のように、株元の一部が草が生えていないエリアがあります。

地上部の陰にもなっていそうな場所は草の再生が遅れております。
実際に土を反転させたわけではなりませんが、想像するに、食用ホウズキの根が張ってしまっているだろうエリアは、食用ホウズキの根と地上部の葉の陰にもなっていることもあり、草が野菜によって抑えられております。

今日のブログの表題にもあるように、野菜の根の張り方やその強さなどが垣間見れる瞬間かと思います。

修行時代、自然農法の師匠たちは、自然観察についてことあるごとに諭してくれました。
最初は自然観察が重要なのはわかっても、その方法やその観る目が育っておらず、何の事だかわかりませんでした。
失敗を繰り返しそこから学び、野菜の現状を地上部だけでなく、根をイメージしながらお世話することができるようになってきました。

そのため、自然観察のヒントになればと腐心してきました。
その研究のまとめが『これならできる!自然菜園』(農文協)をはじめ各拙著であり、つまるところ「根をイメージして、草を刈って敷きながら育てる」自然菜園のスタイルが浮かび上がってきました。






たとえば、狭くなりがちな家庭菜園ではカボチャのツルですが、畝からどんどんどこかに張っていってしまい、困ってしまうものです。
そこで、大概は、ツルが邪魔だと切ってしまう場合や、とりあえずはがして移動させるといった対応が通常かと思います。


ツルを無理やり移動させた結果、カボチャがぐったりして、実つきが悪くなってしまったことはありませんか?

しかし自然観察を重ねた結果、カボチャからすると一番いい場所にツルを伸ばし、ツルで草を抑え、ツルで根を遮光し、保湿し、実も焼けないように隠している努力の結果そのものです。

そこで、ツルを動かす場合も最小限のダメージと最適なお世話で対応したいものです。
例えば、実をつけ始めるまでに限定し、移動する際は、元々ツルが張っていた場所には根があるだろうから、どかしてしまうツルの代わりに、草マルチを厚くしいておいてから、
移動先にも根が張りやすく、実をつけやすいように、しっかり草マルチをして曇りの日に移動させると、機嫌を損ねず実を育んでくれるように思います。


そんな感じで、野菜がどうしてほしいかという視点で、野菜を観察し、最適な判断でお世話することが、師匠たちが「自然観察」を重要視し、伝えたかったことだと思います。


そんなことを僕も僕なりにお伝えしたくて、昨日は、梅雨時期のお世話の方法を自然観察をみんなでしながら行いました。

例えば、目の前のトウガラシは、どうしたら元気になってくれるかやってみました。


まずは、この時期の育ち盛りの樹に対して、ついてる実の負担が大きいように思えたので、ついている実をすべて収穫し、大きくなりすぎてしまった一番果の位置より下の脇芽をハサミで切り落として、
樹の生育がバランス良くなるようにした後に、


株元に再生している草をまず地際から刈り、草マルチし、


今後の生育と来年の土づくりを考えて、一握りの米ぬかを補いました。

もし、昨日が梅雨明け直後だと想定して、さらに




小麦を脱穀した際の小麦ワラを最終草マルチの上からマルチしました。

こうすることで、35℃にも達する本格的な高温乾燥の真夏に備えたと同時に、根もとの微生物や土壌生物など土の生き物たちが快適に過ごせ、結果として来年以降不耕起栽培に切り替える準備を行いました。

つまり、今後のことを考えて、周囲にあるものを活かして、今だから出来るお世話をしてみました。

少々やり過ぎなお世話ですが、来年以降のことも考えるとこれくらいしておいた方が、地域風土と通える頻度を加味すると無難だと判断したからです。




サツマイモもツルが伸びてきたので、一度目のツルがえしを行いました。

ツルを返すことで、より充実したサツマイモ(根)に育ってもらうためです。


もしワラがあれば、畝や、通路もワラマルチすると一層、サツマイモは喜び、週一のお世話でも、余裕ができます。

家庭菜園・自給菜園ではプロのように、通える頻度や畑に行けるタイミングが野菜の生育時期とずれやすく、野菜のお世話がタイミングよくできるとは限らないので、
後手後手で【草刈りだけで終わってしまうような感じで】大変にならないようにちょっと前倒しで、伏線を期すことができるとベターです。

自然は厳しく、放任すれば、大自然に戻り、草畑(草原)になり、菜園から離れていってしまいます。

この梅雨の時期に、舵をどちらのベクトルに切るかが決まってしまいがちです。

自然に育てたいからこそ、野菜が自然に育つような自然な形で、お世話ができたらいいなーと思います。

今日は、今年2回目の自然菜園見学会。
緊張して2時半から起きてしまったので、みんなが来るころには、どうなっていることでしょう。
せっかく足を運んで来てくれる方々が、学べる場に、喜びの場になるようにできたらいいなーと思います。


自然菜園の7月の見学会のお知らせ


2016年内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

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20 コメント

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酸性雨が降り続く中で、(一昔前)に比べて徐々に酸性雨度が高くなって来ていると聞きますが!? (石黒匠)
2016-07-19 22:01:38
野菜の根を想像しながらの野菜作りとは、質問内容が違ってますが、最近、つとに頭をもたげることがあります。
農業に詳しい方から聞いた事で、一昔前、30年前に比べると、緩やかではあるが着実に野菜が育ち難くなる酸性度が高い雨になって来ていると。
野菜作りの経験が低い小生なりに、思っている事として、酸性土壌に直ぐに傾く対応策は、やはり野菜自身の力で酸性化を防ぐしかないのだろうかと。それには、畑を空けずに作り続ける 事が肝要との結論に行きついています。
こんな考えで、よろしいでしょうか?
返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-07-20 07:24:53
石黒匠さんへ

そうですね。
難しいご質問で私も不勉強ながら、思うところはあります。

元々活火山が多い九州でも、大陸からの影響も近年大きく、本州に比べとても酸性雨が高くなっているようでハコベなど中性に近い野の草がなかなか生えずらいと聞いております。

火山は仕方ないのですが、人為的に使う化学活動や現在のライフスタイルが原因とされる酸性雨は、二酸化炭素や二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とするものなので、生活そのものを改めなければいけないと思います。

少なくても、無農薬・無化学肥料の栽培の家庭菜園では、大量の有機肥料によるメタンガスや二酸化炭素を出す未熟有機物や機械を使わない限り、二酸化炭素で光合成してくれる作物や草たちのお蔭で、少しは酸性雨などの人為的なマイナス要因を緩和してくれていると思います。

多くの野菜や土の生き物たちは、野菜の弱酸性が最も活動しやすいので、強い酸性土壌は好ましくありません。

逆に、元々石灰などが大量に施された通常の畑では、アルカリ過多になっているため、酸性雨は嫌なものではありません。

土のpH(酸度)も土の生き物などの営みで、時間帯、季節によっても前後し、変化があります。

畑を休ませず育て続けることは、一方で連作障害や石灰の大量投与など、必ずしも酸性土壌に対抗てきる地球に優しいとはいえず、一方草も敵とせず、化学肥料農薬を使わないで野菜を自然に育てることは、酸性雨に負けない元気な菜園になると思います。

30年前に比べると、酸性雨だけでなく、異常気象ネオニコチノイド農薬の浸透、遺伝子組み換え作物、人工セシウムなどの放射能物質など、
生き物が住みにくく、安全・安心な野菜が育ちにくくなっております。

個人的には、酸性雨だけでなく、すべての問題の原因から対処し、未来の子供たちに残せる営みに切り替えていく必要があると思い、その1歩を踏み出すべく生き方を見直しております。
返信する
カボチャとサツマイモ (ちなっぺ)
2016-07-25 17:22:53
ツルの対処の仕方で、頭のなかで整理しきれていないことがあります。

なるべく自身に、のびのびとツルを伸ばしてあげたいカボチャと、自然に任せて広がったり根を出したりしたものをツル返しするサツマイモ、一見するとツルに関する扱いか正反対のように思えるのですが、カボチャはデリケート、サツマイモは強いという、植物本来の特性からの考え方でしょうか?

もう一点、最近のブログ記事のなかで、暑さ対策の一環で草を生やすというのがあったかと思います。自然を活かし「なるほどなぁ」と思いました。他にも草を生やした方がいいケースは、どのようなものがあるでしょうか?
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ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-07-25 18:51:31
ちなっぺさんへ

鋭いご質問ありがとうございます。

カボチャも、サツマイモもいずれも伸ばしたツルから根を生やします。

ところが、カボチャは、そのツルから出た根で、新しいカボチャの養分を送ってくれるので、邪魔をしたくまりません。

ところが、サツマイモは根が出るとその根でそこに新たなイモを作ってしまいので、本当に育てたい最初のイモに養分を送るのをやめてしまいます。そこで、そのままにしない方がいいのです。

また、西洋カボチャは、日本の暑さに弱く、サツマイモは暑さに強いので無茶ができるという点もあります。

草の生やし方は、野菜の根の生長に邪魔にならないのであれば、ある程度生えていた方がいい時期と、あまり生えていない方が良い時期など時期や野菜の状態によるので、野菜と草の双方に聴いてみないと何とも言えませんね。
返信する
ありがとうございます (ちなっぺ)
2016-07-26 09:40:58
草の対処の仕方だけでも、奥が深いですね。
ありがとうございました。
返信する
ツルがある野菜 (浜屋)
2016-07-26 14:49:35
カボチャ、スイカ、メロンのつるのある野菜について、育て方の違いがいまいち分かりません。
毎年スイカとメロンは上手く育つのですが、カボチャが上手くいかないです。カボチャは途中から枯れていきます。
草マルチの仕方や土の豊かさなど、違いはありますか?
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コメントありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-07-26 17:23:34
ちなっぺさんへ

そうなんですよ。
草マルチだけで本1冊分位になります。

NHK出版さんの「やさいの時間」にも草マルチの連載をしているのでご参考にしてみてくださいね。
返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-07-26 17:35:46
浜屋さんへ

そうですか。
通常は、逆でカボチャは育つのに、スイカメロンが育たないとよく聞かれます。

スイカ、メロンは砂漠出身で暑さ、乾燥に強いものです。比較的肥えた場所を好みます。

日本カボチャは、スイカ並みに暑さに強いのですが、西洋カボチャは、暑さに弱く、余り超えていなくてもよく育ちます。

そのため、カボチャが途中とはいつ頃?からどのように枯れるのかもう少し詳しく教えていただきたいのですが、

もしかしたら、暑すぎて乾燥しすぎるので生育不全は考えられます。

それ以外に、他にもなにか考えられることあれば教えてください。他の野菜で生育が悪いもの、良いものなども教えてください。

1)スイカ・メロンは乾燥・高温が好きなので、浅めに植え、株元を空けて草マルチをします。

カボチャは、暑さに弱いので、最初から株元にも草マルチを行い、ツルの生育が早いので、早め早めに草マルチをし、雌花が咲くまでに畝全体に草マルチし終えると理想的です。
返信する
カボチャ (浜屋)
2016-07-27 07:19:29
カボチャとスイカ、メロンは同じ畝でなく、隣り同士の畝です。
スイカ、メロンはタマネギの後作で、エダマメとオクラと一緒に育てています。この畝は毎年順調で、スイカ、メロンのつるがとても伸びています。
カボチャはエダマメ、トウモロコシと一緒に育てていますが、トウモロコシもあまり成長しませんでした。エダマメは普通です。
土は数年前田んぼだった粘土質で、地力がまだないのかなと思います。カボチャは日本カボチャで初期成長が悪く、1つ2つ実をつけて根元から茶色になり枯れていきました。
水はけが悪くのにスイカのほうが成長が良いことに不思議に思っています。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-07-27 08:12:22
浜屋さんへ

そうですか、見えてきました。
もう2つ教えてください。

①カボチャの前作は何をやっておりましたか?その野菜は良く育ちましたか?

②カボチャの根本にネギをコンパニオンプランツしましたか?
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