無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

Azumino自給農スクール11月(クン炭&自然堆肥造り)

2012-11-26 08:13:43 | 日々の自然菜園
本日、


野沢菜の様子です。

昨日Azumino自給農スクール11月(畑コース)も無事終わりました。本年度残り1回。12月の回のみになりました。

来月は、今日造った堆肥の切り返し、野沢菜漬け、カモの解体、新米の食べ比べ、餅つき、お飾りづくりと盛りたくさん、安曇野地球宿で一泊二日です。


毎朝のように霜が降りて、野沢菜もコク深くなってきました。

今回は、ネギなど冬野菜の収穫&保存のポイントを行いました。


越冬するタマネギ、ニンニク、イチゴなどには来年用の補いをし、
無事に越冬できるように、モミガラやワラなどを使い冬囲いしました。


クン炭を焼くための準備


今回は、『これならできる!自然菜園』(農文協)p73-74でご紹介させていただいた3種類のクン炭作りを行いました。

クン炭とは、お米のモミを燻して作る炭のことで、
土の中の生き物の住処になり、根が張りやすくなる補い資材です。

今までは、お米をモミつきのまま保存していたのですが、近年、玄米で保存するため大量にモミガラが出るため、
モミガラは現在産業廃棄物として、ごみ扱いになっている自給できる資材です。

昔は精米する旅に出る少量のモミガラは貴重で、クン炭にしたり、鶏小屋に敷いたり、各家庭で使われていたものだと聞いております。


クン炭がミディアムに焼き上がりました。

今回は、9:30に焼き始めて軽トラ半分が、途中混ぜながら13:30で、4時間で焼けました。
クン炭のコツを得れば、半日で軽トラ2杯分は簡単に焼けるようになります。


最後に、焼き上がったクン炭に水をたっぷりかけ、しっかり鎮火、冷却します。

クン炭は、田舎での家事の原因になりやすく、バケツ5~10杯ほどたっぷり水をかけて完全に火を消し、アクを流して完成です。

今日のように、次の日が雨予報の日の前日に焼くと、翌日完全に消え、アクも流せるのでお奨めです。



午後は、自然堆肥造りを行いました。
自然堆肥とは、畑の回りで集めることができる有機物(今回は、刈った草、蕎麦ワラ、大麦ワラ、大豆ガラ、モミガラ、米ぬか、油かす、ニワトリ床を使用)を、土に還しやすく発酵熟成させたものです。

最終的には、生えてきた草だけを刈って敷く(草マルチする)ことで野菜が育つ自然菜園ですが、
初期に自然堆肥を使うことで、今まで畑でなかった場所(庭や空きスペース)、農薬化学肥料で疲弊した畑、病虫害が発生しやすかった畑などを自然菜園に切り替えることが容易になります。


一年間刈った畦草やワラを一輪車で計量しながら、集めた有機物を2:8=窒素系有機物:炭素系有機物がよく混ぜるように


混ぜながら山にしていきます。


ポイントは、水をかけずに計量した有機物が2つの山になるように混ぜながら分けることです。


最後に、2つの山の有機物に水分を含ませながら(水分量が50~60%になるように)一つの山に統一して富士山型に盛り上げます。

運んだ水が足りなかったので、今日一日降る雨水を含ませるため昨日は、覆いをかけませんでしたが、
絨毯やブルーシートで覆うことで、1週間以内に積み上げた堆肥が発酵し始め65~80℃にもなります。


1年前にみんなで仕込んだほぼ完成の自然堆肥です。

匂いもなく、手でもむと簡単に有機物が粉々になるほどに分解しています。

材料にもよりますが、発酵をはじめて2~3カ月70℃前後の発酵熱を保つために、2週間~1カ月に一度切り返しをし、空気を入れて水分量を調整します。
発酵熱が40℃まで落ちてきたら、更に1年以上熟成させ自然堆肥を完成します。


コムギのワラは自然界では10年、樹皮は30年かけて分解され始めて窒素を放出し生きた植物に役立つようになると言われます。
堆肥は、半~1年半かけて出来るものですが、それでも自然分解に比べたら早くしかも養分を失わずに自然に還せる形になる素晴らしい技術です。

また、とても手間のかかる堆肥造りですが、手作り味噌のように、手塩をかけて育てた分、市販の堆肥にない効果やとても美味しい野菜が育つきっかけになってくれます。

美味しい味噌汁を作るには、ダシしっかり取り、美味しい具材を取り入れ、美味しい味噌で作るのが基本ですが、
畑の土づくりも全く同じで、使う堆肥の質や量、料理の仕方によって育つ野菜が美味しくなるのか、病虫害に侵されやすくなるのかが決まってきます。

以前ブログで紹介した堆肥の腐敗チェックをし、合格した自然堆肥を上手く使えば1年目から自然菜園は軌道に乗りやすく、
その後耕さずとも刈った草を敷くだけで、野菜が自然に育つようになるから不思議です。

春から始めやすい家庭菜園ですが、秋のうちから来年の準備をしておくことで、無農薬しやすくなるものです。
時間がかかる分、うまく悠久の時を使い、野菜が自然に育つリズムに乗れるようにするかがカンタンで美味しい野菜を育てるコツかもしれません。


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