TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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イェイツのこと、アイルランドのこと[2]

2012年07月02日 | 東西の詩人詠みくらべ
 私は以前、この映画について雑文を書いたことがあるが、以下は、そのさわりである。
・・《 私はフランキーが読んでいたゲール語の詩集のことが気にかかり、映画を見た後、イェイツの書を探しに出かけることとした。そして見つけたのが、加島祥造訳『イェイツ詩集』である。この詩の原題は『The Lake Isle of Innisfree(イニスフリーの瑚島』であり、都会ロンドンで暮らす詩人が故郷への思いを込めて作った詩である。
『I will arise and go now、and go to Innisfree,
And a small cabin build there, of clay and wattles made
    ああ、明日にでも行こう、あの島へ、
    そして、あそこに小屋を建てよう。
    ・・・・(中略)・・・
    ああ、あそこなら、いつかは心も安らぐだろう。
安らぎは、ゆっくりくるだろう・・・・(中略)・・・』

ここにイェイツが思い描いたのは、詩人が夢見た安息の地なのであろう。しみじみとした、いい詩である。この重い物語の救いと希望はこの詩の中にある気がする。罪の意識を背負った“許されざる者”フランキーは、その後行方がわからなくなるのであるが、今もこの島の何処かで暮らしているに違いない。》・・


そんな訳で、これらのことをブログに書いたのであるが、このところ、イェイツのことが妙に心に引っかかる。旅をしても、例えば、昨年10月、仕事でサンフランシスコに出かけた折も、アイリッシュ・パブの店内に入るなり、壁に掛けられたイェイツの肖像写真が目に飛び込んできた。ニューヨークにも毎年出かけるが、5番街のゴシック建築が美しいセント・パトリック教会を見ると、アイルランドのことを思い出すのである。(山下)



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