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TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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スティーブ・ジョブスの名演説「Stayhungryハングリーであれ、Stayfoolish愚かであれ」に、改めて感動

2016年06月23日 | 歴史に学ぶ人間学
10年位前に話題となったスティーブ・ジョブスのスタンフォード大学卒業式でのスピーチについては、経済雑誌で流し読みした程度であった。しかし、今回、中学生の孫がスピーチコンテストで発表した演説文を丁寧に読んでいる内に、改めて心に響くものがあった。

このスピーチは生い立ちなどにも触れながら自らの人生観を語ったもので、多くの人に感動を与えたようだ。この中でジョブスは三つのことを語っている。その一つは❝点と点をつなげるということ❞。生みの親が未婚であったので養子に出されるが、この両親が豊かでなかったこともあり大学を中退、この時潜り込んで聞いたのが❝カリグラフの講義❞であった。ジョブスは伝統的で芸術的な文字のとりこになったようだ。そして10年後マッキントッシュの設計をしていた時、このカリグラフの知識が蘇り、あの美しいフォントを持つコンピュータが誕生したのだと言う。将来を見据えて点と点を繋ぎ合わせることは出来ない。我々は今やっていることがいずれ人生のどこかで実を結ぶであろうと信じて取り組むしかない。・・蓋し名言である。

二つ目は、アップル社を追われた経験を踏まえた❝愛と敗北❞について、三つめは❝死について❝である。ジョブスは17歳の時、「毎日、それが人生の最後の一日だと思って生きればその通りになる」という言葉に出会った。その日を境に33年間、毎朝鏡を見ながら、「もし、今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていることをするだろうか」と自らに問いかけることにしているとのこと。・・私も妻を亡くして以来、人間はいつか死ぬということを強く意識した人生を送ってはいるが、ここまでの覚悟はない。一日一日をもっと緊張感を持って、大切に生きねばと改めて考えてしまった。

スティーブ・ジョブスについては、その厳しすぎる仕事振りや、優秀な人は重用するがそうでない人はすぐクビにする、いい仕事をしても褒めないなど様々な評価があるようだ。しかしここまで成功を遂げた人物の生き方については、心して耳を傾ける必要があると思うのである。孫のお陰でいい勉強が出来た(笑)。


スティーブ・ジョブス画像はWebより


≪NY物語≫・・自由の女神と映画「ゴッドファーザーpart2」のこと

2015年10月08日 | 歴史に学ぶ人間学
ニューヨークのことを書くなら、やはり自由の女神を外す訳にはいかない。9・11同時多発テロの後、次の標的は自由の女神との噂が流れ、ここに向かうフェリーは暫らくの間渡航中止となった。嬉しいことに私がNYに旅した2005年には解除されていたが、フェリー乗船時の荷物チェックは物々しいものであった。この時初めて自由の女神像をフェリー上から間近に眺めたが、その予想以上の大きさに驚き、感動した。

 2005撮影
自由の女神は、アメリカの独立戦争を支援してきたフランスがその独立を記念して贈呈した像で、1886年に完成した。贈呈のための資金はフランス人の募金によるもので、台座部分はアメリカ人の募金によって実現したものであるとのこと。いい話だ。自由の女神像のあるリバティ島の後には移民局が置かれたエリス島があり、19世紀後半から60年余りの間、ヨーロッパからの移民は全てこの島で審査を受けて入国した。移民たちには❝希望の島❞と呼ばれていたらしい。

ロバート・デ・ニーロ Webより

自由の女神は映画にもよく登場するが、どのシーンも新天地アメリカへの希望が滲み心に迫る。その中でも私が好きなのはゴッドファーザー2である。父と兄、母を村のボスに殺された少年時代のゴッド・ファーザー、ヴィト・コルレオーネがシチリアから一人でアメリカに渡るのだが、移民船の甲板やエリス島の隔離病棟から自由の女神を眺めるシーンは郷愁を誘う。

 ゴッドファーザーの少年時代
この映画はロバート・デニーロの出世作であり、マーロン・ブランドのしゃがれ声など若き日を演じて、アカデミー助演男優賞に輝いた。ギャング映画ではあるが、リトル・イタリーの街で頭角を現す青年ゴッドファーザーの家族や友人を大事にする生き様などが丁寧に描かれ、魅力的な作品であった。という訳で、その後も自由の女神像を見る度に、私はこの映画を思い出す。


 自由の女神とエリス島 Webより