TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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笛吹川を散策しながら、深沢七郎の作品「笛吹川」や「楢山節考」に思いを馳せる

2016年07月06日 | 我が愛する映画たち
特にここ数年は、高校時代の友人たちとの付き合いが深まり、郷里での旧交を温めている。この4月も武田神社から舞鶴公園・小瀬公園を経て石和温泉へと皆でドライブ。宿泊した石和温泉常盤ホテルから直ぐのところを笛吹川が流れており、朝早く目覚めたので、一人で笛吹川の土手を散策。旅館の前を流れる疎水沿いは桜が満開、少し歩くと桃の花も咲いている。いい気分だ。笛吹川というと、この地出身の深沢七郎のことを思い出す。長野の姥捨伝説を描いた小説「楢山節考」で世に出たが、「笛吹川」も有名である。

笛吹川のもの悲しい枯れススキやヨシの風景

笛吹川は甲武信岳(こぶしだけ)と国師ケ岳(こくしがだけ)に源を発し釜無川に合流、富士川にいたる河川である。笛吹川とは美しい名である。その由来は、かつて鎌倉幕府に追放された日野一族の武将藤原氏の嫡男権三郎が洪水で流された母を偲んで吹いた笛に因んで付けられたらしい。土手から見渡すと冬枯れのヨシやススキが風にそよいで何処か寂しげな風景である。

小説「笛吹川」は、信玄から勝頼に至る武田家の盛衰と共に生きた笛吹川沿いの農民一家の何代かにわたる物語である。生まれては殺されて行く農民たちの無慈悲な運命を土俗的な語りで描いた問題作で、1960年木下恵介監督によって映画化された。出演は高峰秀子・田村高廣。「楢山節考」は今村昌平により映画化されカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞、年老いた母を背負い真冬の山に捨てに行く悲しい物語だ。
WEB画像より・・木下恵介映画笛吹川

初めての地を訪ね、こうしてその歴史や小説に思いを馳せる、これぞ旅の醍醐味である。







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