TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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「花子とアン」・・花子が勤めた出版社は銀座教文館の前身

2014年07月13日 | 時代を駆け抜けた男たち
 NHKの朝ドラ「花子とアン」が高視聴率であるらしい。時々見るがいいドラマである。伊原剛志も室井滋も石橋蓮司も皆いい感じを出している。
だが、このドラマは村岡花子の伝記そのものという訳ではなく、フィクションも多い。
 両親、特に父逸平が立派だ
 教会の図書室で過ごす花子

 ドラマには出てこないが、花子は幼少期甲府のメソジスト派教会に通い、2歳の時父の希望で幼児洗礼を受けている。小さい頃の花子が本を読みに行く部屋があるが、これは教会の図書室である。牧師が出てくるシーンはないが、壁には青色のステンドグラスが見える。

元々、父逸平はお茶の行商人であったが、理想を求める文学青年であったのであろう。カナダ・メソジスト派の教会に出入りするようになり、熱心なクリスチャンになった。この時代珍しい人物である。花子の幼児洗礼も、利発そうな娘への思いが強かったからに違いない。
 父逸平と家族の写真、左端花子

 ドラマでは、尋常小学校の途中で修和女学校に編入することになっているが、キリスト教や文学に関心を持つ逸平は、妻の実家や親戚ともうまく行かず花子が5歳の時一家で上京している。その後花子は、東洋英和女学校に入学するのであるが、高等科を卒業すると山梨英和学院の英語教師として赴任する。ここもテレビと事実の違う点である。

 私事になるが、先日、甲府の高校時代の友人Y君から電話があり、「おい知ってたか、花子は俺たちと同じ教会で幼児洗礼を受けていたらしい」とのこと。ちょっと驚いた。しかも銀座教文館で村岡花子展をやっているとのこと、早速見に行って来た。因みに、花子が勤務していた出版社は銀座教文館の前身である。
 教文館の展覧会

 実は私は生まれは違うのだが、幼少期を甲府で育ち、日曜日には両親に連れられて花子と同じ甲府教会に通っていた。父の希望で幼児洗礼も受けた。社会に出て以来教会に行くことも少なく立派な生き方ができている訳でもないので、忸怩たる思いであるが、父や少年時代のことを思い出す。

 当時の甲府教会