TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

「エッセイ夏炉冬扇独り言」
「歴史に学ぶ人間学」
「僕流ニュースの見方」
「我が愛する映画たち」

好きな歌ひとつ・・『願わくは花のもとにて春死なむ・・・(西行)』

2008年03月27日 | 酔って吟じたあの一篇
 今日は3月27日。今年の桜前線は例年より早く、東京は本日が見頃と聞いて、夕刻前、九段下から皇居田安門・靖国神社界隈を歩いたが、今まさに咲いたばかりといった趣きの桜であった。

 小生の第二の人生のライフワークはルオーと西行研究、・・などというと格好良すぎるが、そう在りたいと思っている。ルオーについては、30年前に版画『ミゼレーレ』の中の一点を購入して以来のことであるし、西行についても好きで若い頃から時々読んでいる。

 西行は、平安末期を代表する歌人である。出家した後、桜の美しい京都東山や嵯峨、奈良吉野の他各地に庵を構えたが、生涯を通じて数多くの桜の歌を作った。桜といっても、咲き誇っている美しさではなく、散る桜を詠んだ歌が多い。

 私は、桜の季節になるとこの歌を思い出すのであるが、年と共に心に沁み入る。

     ・・・『願わくは花のもとにて春死なむ、そのきさらぎの望月のころ』・・・美しい歌だ。(山下)


皇居田安門界隈の桜、満開なり


好きな句一つ・・『勇気こそ地の塩なれや梅真白』(中村草田男)

2008年03月11日 | 酔って吟じたあの一篇
 我が家の庭の梅が咲いた。色はピンクがかった白梅だ。現代の日本人は桜が好きだが、万葉集の時代には、花といえば梅を指した。

 梅の季節になると、この名句を思い出す。私は、写生俳句とは一味違う人間探究の句を詠んだ中村草田男が好きである。草田男は虚子に入門した、『ホトトギス』の同人である。出身は愛媛松山、この地には俳人が多い。私の母方の故郷も愛媛松山、そのためか、松山への関心が強い。

 『勇気こそ 地の塩なれや 梅真白』 

     ・・いい句である。因みに,“地の塩”とは,聖書のなかの言葉だ。(山下)


我が家のピンクがかった白梅