TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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好きな歌一つ『世の中をおもへばなべて散る花の・・(西行)』・・・久門晨

2009年04月04日 | 酔って吟じたあの一篇
 東京の桜が満開である。天候に恵まれ、花が長く枝にとどまり、見る人を楽しませている。

上野公園の桜の下の賑わいを眺めるのも楽しいが、私が好きなのは千鳥が淵、靖国神社の桜だ。
特に、ライト・アップが終わった夜11時過ぎの千鳥が淵がとてもよかった。人影もまばらで、静寂ななか、桜の美しさが心に沁みた。


 それにしても、日本人は何と桜が好きなことか。そのことを考えると思いだされるのは、やはり西行である。西行は生涯に亘って、桜の歌をたくさん詠んだ。
  
  その西行の歌

   『世の中を おもへばなべて 散る花の わが身をさても いづちかもせむ』

       世の中のことを思うと、全て散る桜の如く、はかない。その散る花のようにはかないわが身は、
       いったいどうしたらいいのだろう・・・といった意味であろうか。

 私は西行が好きだ。桜の季節になると西行を思い出す。昨年(2008、3,27)の桜の季節にも、ブログに書いた。その時の歌は、

    『願わくは 花のもとにて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ』 であった。 ・・・心に沁みる歌だ。(山下)