神田の某画廊が主宰する会では、小冊子を発行している。その原稿の締め切りが近づいて来た。 何を書こうかと考えているうちに、陶淵明のことを思い出した。陶淵明は中国東晋時代の詩人である。41歳の時役人生活に嫌気がさし、職を辞して故郷に帰り、隠遁生活を送った。私は若い頃から漢詩、とりわけこの陶淵明が好きで、一杯飲んだ時など彼の詩の一節を吟じたりしていた。「庵を結んで人境にあり・・・」などと。その小生、数年前に妻を亡くしたり、昨年はみずからも癌の診断を受けるなど、このところ人生の無常を思うことが多いのだが、そんな訳で若い頃吟じた陶淵明の詩に感じ入ることが多くなったのかもしれない。
陶淵明は自然の中にこそ真理ありとの宇宙観を持った詩人であるが、無為自然の老荘思想の影響を受け、自然に身を任せて人生を生きた。願わくば小生も、人生の無常をあるがまま受け入れ生きたいものである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/23/e6ddceca677b85c46da7f010aa9b25e0.jpg)
*我が書斎の書棚に残る40年以上前の『古文真宝選』他
陶淵明は自然の中にこそ真理ありとの宇宙観を持った詩人であるが、無為自然の老荘思想の影響を受け、自然に身を任せて人生を生きた。願わくば小生も、人生の無常をあるがまま受け入れ生きたいものである。
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