TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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讃美歌のこと、映画『容疑者Xの献身』にも流れた106番

2009年12月24日 | 酔って吟じたあの一篇
 クリスマス・イブ、東京銀座教会のキャンドルサービス・クリスマス礼拝へ。
まず、東洋英和学院の女子学生達によるハンドベル演奏・・曲目はクリスマス・フェスティバルなど。
聖書は『ルカによる福音書』2章1~7節、「その頃、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。・・」で始まる、イエス・キリスト誕生のくだりである。

 礼拝堂の照明が消され、キャンドルの光が揺れるなか、ペンライトの明かりで、讃美歌103番「牧人ひつじを、守れるその宵」、112番「もろびとこぞりて、むかえまつれ」などを歌う。

 讃美歌106番はクリスマスキャロルの定番である。曲の原題は”Gloria”、“Angels We Have Heard on High”。後半の“グロリア・イン・エクセルシス・デオ”は、カトリック教会のミサ通常文の「栄光頌(グロリア)」に用いられる聖句の一節である。ルカ福音書8節~20節を基にしている。


         荒野(あらの)の果てに、夕日は落ちて
         たえなる調べ、天(あめ)より響く、
         グロリア イン エクセルシス デオ
         グロリア イン エクセルシス デオ

         Angels we have heard on high,
         Sweetly singing o'er the plains
         And the mountains in reply
         Echo back their joyous strains.
         Gloria in excelsis Deo,
         Gloria in excelsis Deo.


 ところで、この讃美歌は、映画『容疑者Xの献身』にも使われていた。堤真一演じる石神哲哉から花岡靖子宛ての手紙の場面で流れ始める曲である。キャンドルを手にしたミッション系女学生たちが歌いながら通り過ぎる短い時間であるが、いいシ
ーンであった。(山下)



礼拝堂とハンドベル

讃美歌106 ?あら野のはてに



讃美歌のこと、映画『ダイハードⅡ』でも使われた298番

2009年12月09日 | 酔って吟じたあの一篇
 映画『ダイハードⅡ』のエンディングで使われた曲が讃美歌であることを知る人は少ないかも知れない。讃美歌298番、この讃美歌の原曲はジャン・シベリウスの交響詩『フィンランディア』である。

 19世紀末のフィンランドは帝政ロシアの圧政に苦しめられていたが、独立戦争が沸き起こりつつあった。当時、シベリウスのこの交響詩はフィンランドへの愛国心を引き起こすものとして弾圧も受けたが、その後“第二の国歌”として国民の支持を得ている。シベリウスは1941年、この曲を合唱用に編曲したが、これが『フィンランディア讃歌』である。
    
おお、フィンランドよ
見よ、お前の朝が明ける
夜の脅威は消し去った
・・・・・・・・・・・・

そして、この『フィンランディア讃歌』の中間部が讃美歌298番となったのである。いい曲である。

やすかれ、わがこころよ
主イェスはともにいます
いたみも苦しみをも    
おおしく忍び耐えよ
・・・・・・・・・・・・

『ダイハードⅡ』の監督はフィンランド出身のレニー・ハーリン。故郷への思いを込めて、この曲を映画のエンディングに使ったのであろう。映画そのものの出来は『ダイハードⅠ』には及ばなかったが、格調高いラストであった。(山下)


ルーテル東京教会






讃美歌のこと、タイタニック号船上でも演奏された320番

2009年12月08日 | 酔って吟じたあの一篇
 讃美歌320番、“Nearer,my,God,to thee” 好きな曲の一つである。妻が息を引き取る時に人工呼吸しながら歌った讃美歌でもある。

主よ、御許に近づかん
登る道は十字架に
ありともなど、悲しむべき
主よ、御許に近づかん

・詞は1841年、英国のサラ・アダムス、旧約聖書創世記28章11~12節を基に作詞された。
・現在、知られている旋律は、米国のロ-ウェル・メイソン作曲による“BETHANY”である。

この曲は、大ヒットしたジェームズ・キャメロン監督作品『タイタニック』でも使われていた。タイタニック号沈没の際、沈みゆく船上でバンドメンバーによって演奏されたのであるが、感動的なシーンであった。これは実話である。(山)


船上での演奏シーン


タイタニック沈没シーン