TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

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≪NY物語≫・・9・11同時多発テロと❝鉄骨十字架❞を忘れない!

2015年09月30日 | 時代を見る眼
2001年の9・11同時多発テロから15年、昨年「1・ワールドトレードセンター(1WTC)」が完成した。テロに屈しないという意味が込められているのだろう、高さ541m・108階建てのニューヨークで最も高い超高層ビルだ。
Webより借用

私はこの10年間に何回かニューヨークを訪ねているが、2005年6月、この界隈を散策した折、崩壊したビル跡地に建てられた鉄骨十字架に目が釘付けになった。ここに掲載した縦型の写真はこの時撮影したものである。日本では余り話題にならなかったが、この鉄骨十字架を見ることができ、よかったと思う。これは崩壊したビルの残骸の中から発見されたものだが、あたかもキリスト磔刑の十字架のようだとに感動した人々が跡地に建てたものである。この跡地は「グランド・ゼロ」と呼ばれたが、これは英語で爆心地の意味であり、現地では、「911・Memorial」と呼ばれている。

鉄骨十字架2005年撮影 Webから借用

その後、アメリカはテロの脅威に怯え、国内ではイスラム教徒への差別・偏見が蔓延、ブッシュ政権はアフガニスタン戦争、及びイラク戦争へと突入して行く。2003年には日本も自衛隊のイラク派遣に踏み切るなど西側諸国を巻き込んだテロとの戦いは泥沼化、容疑者オサマ・ヴィンラディンン殺害を至る。しかし、その後も中東では混乱が続き、新たなテロの拡散を招くという悪循環に陥っている。アメリカ自身もテロとの戦いの中で国力を消耗、その影響力も後退を余儀なくされ、中東地域に地殻変動が起きている。

一方、経済発展を遂げた中国は軍備を拡張しつつ南シナ海で実効支配を進めており、ロシアはウクライナやシリア問題での強気の姿勢を崩していないが、アメリカは効果ある手が打てないでいる。長く世界の警察官の役割を果たしてきたアメリカであるが、その国力・指導力の低下が指摘され始めている。こういう民族主義台頭の中で日本は如何に生きていくのか、国民も真剣に考える必要があると思うのである。

米中首脳の確執・・Webより借用