TAOコンサル『市民派・リベラルアーツ』

「エッセイ夏炉冬扇独り言」
「歴史に学ぶ人間学」
「僕流ニュースの見方」
「我が愛する映画たち」

ヘンデル作曲オラトリオ“メサイア”のこと

2013年04月20日 | 讃美歌など心に響く音楽
 4月20日、渋谷にあるキリスト教会からチャーチコンサートのお誘いをいただいた。今回の曲目はヘンデルのオラトリオ『メサイア』、演奏は青山学院大学オラトリオソサエティOB・OG合唱団であるとのこと。実は亡き妻も若い頃奥田耕天創設のKAY合唱団の一員で、私も何回か演奏会を聴きに行った。そんな訳で大変懐かしく、出かけることとした。

 オラトリオとはバロック音楽を代表する楽曲形式の一つであり、この曲はマタイ受難曲・ヨハネ受難曲と並ぶよく知られた宗教曲である。歌詞は旧約・新約聖書から抜粋されたものであるとのこと。第2部の最終曲が有名なハレルヤコーラスである。

Halleluyah!
for the Lord God Omnipotennto reigneth,
Halleluyah!    ではじまり、
King of Kings,and Lord of Lords,
and He shall reign for ever and ever,
Hallelujar!   で終わる。

1743年、ロンドンで初めて演奏された際、国王ジョージ2世は演奏の途中で起立、聴衆も総立ちとなったのだそうだ。・・・素晴らしいコーラスである。(山下)


指揮・鈴木惇弘、チェンバロ・奥山初枝

心にしみるパブロ・カザルスの鳥の歌

2012年11月12日 | 讃美歌など心に響く音楽
 このところ、続けて『鳥の歌」を聞く機会があった。パブロ・カザルスの鳥の歌はあまりにも有名であるが、ちょっと触れておきたい。
鳥の歌は、元々、スペインのカタルーニャ地方の民謡であり、キリストの誕生を鳥たちが祝って歌うというクリスマス・キャロルであったものを、パブロ・カザルスが編曲したものである。カザルスはチェロ奏者であるとともに、世界平和を訴える運動を続けてきた音楽家である。そして、1971年10月24日、国連に招かれて演奏会を持ったのだが、その最後に演奏したのが、この『鳥の歌』である。この時、カザルスは聴衆に向かって、「私の故郷カタルーニャでは、鳥たちはピース(平和)、ピース(平和)と鳴きながら飛んでいます」と挨拶し、喝采を浴びた。そしてこの曲を演奏したのだが、静まり返った大勢の聴衆の心を打ち、長く語り継がれてきたのである。
私はバッハの無伴奏チェロ組曲が好きで時々聞くのであるが、きまってこの曲を思い出す。短い曲だが、しみじみ心に沁みわたる。(山下)


無伴奏チェロ組曲CD・・鳥の歌は収録されていない。                

Casals "El Cant dels Ocells" at the U.N. Day カザルス『鳥の歌』

新潟砂丘館でのコレクション展で、かけていたのもこのCDである。




ブラームスの合唱曲『ドイツ・レクイエム」を聴く・・PMS合唱団

2011年09月17日 | 讃美歌など心に響く音楽
 青葉台フィリアホールにてPMS合唱団の公演を聴く。ご一緒したのはバスを歌う首藤孝雄氏の奥様など横浜青葉台のご夫人方。レディーに囲まれてのコンサートとは、贅沢の極みだ(笑)。

 この日のメイン曲は、ブラームスの『ドイツ・レクイエム』。“レクイエム”とは死者の霊を鎮めるための鎮魂歌である。カトリックでは、ラテン語の祈祷文に沿って作られるのだが、ドイツ・レクイエムはブラームス自らが、マルティン・ルターによる1537年版のドイツ語訳新約聖書、旧約聖書から選んだものを歌詞とし、演奏会用に作曲したものであるとのこと。

 「悲しみを抱く者は幸いである。彼らは慰められるであろう。(マタイによる福音書5-4)」から始まり、「今より後に、主に結ばれて死ぬ者は、幸いである。御霊も言う。そうだ、彼らはその労苦から解き放たれて休む。(ヨハネの黙示録14-13)」に至る歌詞は、人間の苦悩や忍耐、慰めや喜びを描いている。

 ブラームスによれば、この『ドイツ・レクイエム』は「悩みを担う者の幸福の賛美」であるとのこと、つまり死者の魂を慰めるためだけでなく、今の時代を生きる人々への鎮魂歌でもある。この日の指揮は松村努氏、荘厳なコーラスに包まれ、至福のひとときであった。いい音楽会であった。

 コンサート終了後、会場でお会いした現役時代の先輩内藤嘉春氏を交え、でワインを楽しむ。内藤さんの趣味はリタイア後凝っているバッハコーラスと宇宙研究、そんな話題に皆さんおおいに盛り上がった一日であった。(山)


フィリアホール


青葉台夫人たちと。左から二人目内藤嘉春氏。