ベストの相手である証し
* * * * * * * * *
「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」
…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。
半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な"徴(しるし)"に気づき、徐々に惹かれて行く…。
様々な愛のかたちとその本質を描いて第142回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。
* * * * * * * * *
私には初めての作家ですが、直木賞受賞作ということで興味を持って読んでみました。
別に権威に弱いわけではありませんが、
新たな作家を知る機会ではあると思うのですよね。
本作、主人公明生は資産家の御曹司ながら、
なぜか家族の中で自分だけ出来が悪く違和感が大きいため、早くに家を出ているのです。
誰もが「御曹司」のレッテルで自分を見て、嘲笑っているように思えるのだけれど、
キャバクラで出会ったなずなだけが、
素直にありのままの自分を気に入ってくれた(と思った)から結婚。
しかし実はなずなには以前から忘れられない人がいた・・・。
彼は次第に
「ベストの相手を見つけけた時には、何かこの人に違いないという証拠がある」
と思うようになります。
そういう意味で、なずなはベストの相手ではなかった。
彼が見つけた本当の相手とその証拠とは・・・?
まあ、ロマンチックなストーリーではありました。
でも、なんて言うか、どうも妻なずなのことがよくわかりません。
著者にすれば、
「女なんてどうせ男にはわからない」
という思いがあるのかも知れませんが、
女から見てもこんなにわけの分からない女ってそうはいないのでは?
と言うか、魅力なさすぎ。
なんでこんな女と結婚したのか、それがそもそもいい加減です。
東海さんとの経緯は、結構いい感じで書かれていたと思います。
それだけに、なずなとのことは、単に物語上の障害を作るためだけのものに感じられてしまいます。
イマイチ、のめり込めなく思いました。
同時収録の「かけがえのない人へ」では、
さらにわけの分からない女性みはるが登場します。
彼女には結婚が決まっている男性がいるのですが、
同時に以前愛人関係にあったかつての上司とよりを戻し、
同じ日に掛け持ちで二人と逢ったりしているのです。
この二人はなんとSMプレイもどきを繰り広げます…。
(ちょっと焦りました)
いや、確かに私は古い女なのかもしれません。
単に結婚は「キャリア」と同じで、
どんな相手とでもいいからとにかく一度はしておくべき、
というみはるには好感も持てないし、納得もできません。
いえ、これが全くのフリーで、とにかく結婚してみようかと焦っているというのならまだしも、
彼女はどう見ても愛人の方を愛してますよねえ・・・。
だからラストは納得できるのですが・・・。
結局男のヒロイズムを満足させるだけのような気がしてしまいます。
女性と男性とで評価がわかれるのではないかと思いました。
「ほかならぬ人へ」白石一文 祥伝社文庫
満足度★★☆☆☆
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫) | |
白石 一文 | |
祥伝社 |
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「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」
…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。
半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な"徴(しるし)"に気づき、徐々に惹かれて行く…。
様々な愛のかたちとその本質を描いて第142回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。
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私には初めての作家ですが、直木賞受賞作ということで興味を持って読んでみました。
別に権威に弱いわけではありませんが、
新たな作家を知る機会ではあると思うのですよね。
本作、主人公明生は資産家の御曹司ながら、
なぜか家族の中で自分だけ出来が悪く違和感が大きいため、早くに家を出ているのです。
誰もが「御曹司」のレッテルで自分を見て、嘲笑っているように思えるのだけれど、
キャバクラで出会ったなずなだけが、
素直にありのままの自分を気に入ってくれた(と思った)から結婚。
しかし実はなずなには以前から忘れられない人がいた・・・。
彼は次第に
「ベストの相手を見つけけた時には、何かこの人に違いないという証拠がある」
と思うようになります。
そういう意味で、なずなはベストの相手ではなかった。
彼が見つけた本当の相手とその証拠とは・・・?
まあ、ロマンチックなストーリーではありました。
でも、なんて言うか、どうも妻なずなのことがよくわかりません。
著者にすれば、
「女なんてどうせ男にはわからない」
という思いがあるのかも知れませんが、
女から見てもこんなにわけの分からない女ってそうはいないのでは?
と言うか、魅力なさすぎ。
なんでこんな女と結婚したのか、それがそもそもいい加減です。
東海さんとの経緯は、結構いい感じで書かれていたと思います。
それだけに、なずなとのことは、単に物語上の障害を作るためだけのものに感じられてしまいます。
イマイチ、のめり込めなく思いました。
同時収録の「かけがえのない人へ」では、
さらにわけの分からない女性みはるが登場します。
彼女には結婚が決まっている男性がいるのですが、
同時に以前愛人関係にあったかつての上司とよりを戻し、
同じ日に掛け持ちで二人と逢ったりしているのです。
この二人はなんとSMプレイもどきを繰り広げます…。
(ちょっと焦りました)
いや、確かに私は古い女なのかもしれません。
単に結婚は「キャリア」と同じで、
どんな相手とでもいいからとにかく一度はしておくべき、
というみはるには好感も持てないし、納得もできません。
いえ、これが全くのフリーで、とにかく結婚してみようかと焦っているというのならまだしも、
彼女はどう見ても愛人の方を愛してますよねえ・・・。
だからラストは納得できるのですが・・・。
結局男のヒロイズムを満足させるだけのような気がしてしまいます。
女性と男性とで評価がわかれるのではないかと思いました。
「ほかならぬ人へ」白石一文 祥伝社文庫
満足度★★☆☆☆
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