映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

人生スイッチ

2015年07月31日 | 映画(さ行)
ほんっと、人間っておバカ



* * * * * * * * * *

人生において、決して押してはならないスイッチを押してしまい、
絶望的な不運の連鎖に巻き込まれていく男女6名のストーリーをオムニバスで。
彼・彼女たちは、激情にかられてつい人生のスイッチを押してしまう・・・、
いえ、押してしまうというより入ってしまう感じですかね。



たとえば、男の道の先をゆく車が嫌がらせで進路妨害。
カッとなって、男は追い越しざま罵倒をあびせて先へ行きます。
まあ、そこまでなら良かったのですが、その少し先でタイヤがパンク。
そこで男は止まらざるを得なくなってしまいます。
するとまもなくさっきの車が追い付いてきて・・・。
よせばいいのにいい年した大人が流血沙汰の大げんか。
そしてその末に・・・。
眉をひそめる暴力沙汰で、実際悲惨な出来事になってしまうのですが、
それにしても、そのラストには思わず笑ってしまいます。
皮肉です。
でも、おかしい。



どれもこれもなんとも味のあるブラックなユーモアが漂っていて、
その刺激的なラストが実は笑い事ではないのですが、
ニヤつかずにいられない。
ほんっと、人間ってバカ。



ラストの結婚式の話も凄かったですよ。
いかにも幸せそうな新郎新婦の披露宴。
しかし、新婦が新郎の浮気相手が出席者の中にいることに気づいてしまうのです。
怒り狂いスイッチが入ってしまった新婦のために
会場は修羅場と化す。
いやはや、この調子で一体どんな結末に???
と思ったところで実に意外な出来事が。
散々人の肝を冷やしておいてから、
この煙に巻くようなラスト。
いや全く、翻弄されます。
実にスリリングな122分。



「人生スイッチ」
2014年/アルゼンチン・スペイン/122分
監督・脚本:ダミアン・ジフロン
製作:ペドロ・アルモドバル
出演:リカルド・ダリン、リタ・コルテセ、ダリオ・グランディネッティ、フリエタ・ジルベルベルグ、レオナルド・スバリャーリャ

ブラックコメディー度★★★★★
満足度★★★★☆


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