映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ドンファン

2016年02月06日 | 映画(た行)
心の目で真実を見てほしい



* * * * * * * * * *

私、ジョニー・デップ作品はかなり見ていると思い込んでいましたが、
実はそうでもないことに気付きました。
最近作はほとんど見ていますが、古いものは見ていないものもかなりあるようです。
「チャーリー・モルデカイ」ですっかり失望し、
「ブラックスキャンダル」は全然観る気が起きず、
仕方ないから若き日のジョニー・デップを見ようと・・・。


それで、この「ドンファン」ですが、
あの伝説の伊達男ドンファン、その人のストーリーかと思っていたら、
なんと現代の物語です。


仮面にマント、剣まで携えるという時代錯誤のスタイルをした若い男(ジョニー・デップ)が
ビルの屋上から飛び降り自殺をしようとしています。
そこへ呼ばれたのが精神科医であるジャック・ミクラー(マーロン・ブランド)。
自分はドンファンだと主張する男に話を合わせ、
なんとか納得させて、彼を病院へ連れて来ました。
ドンファンは、ジャック医師に自分の数奇な運命と愛の遍歴を語ります。
どう考えても変だ。
馬鹿げている。
周りの医師は「妄想」と決め付け、クスリを服用させるようジャックに迫るのですが、
ジャックは妙にドンファンの話に心惹かれてしまうのです。
彼の話は、詩的で情熱的、女性に対しての賛美に満ちています。
ジャックはこのところすっかり仕事の意欲も減退し、引退も何日か先に迫っていました。
夫婦生活も倦怠に満ちています。
ところがドンファンの語るストーリーを聞くうちに、
みずみずしい情感や女性を愛する気持ちが蘇る気がするのです。


確かに、ドンファンの語るストーリーは
惨めな現実をバラ色の妄想で包み隠したニセのストーリーなのかもしれない。
しかし、彼自身がいいます。
「そのように見えるかもしれないけれど、心の目で真実を見てほしい」と。


う~ん、ジョニー・デップの真骨頂を行く作品ですね。
ナイーブそうな青年は、どこか風変わり、というか普通じゃない。
が、捉えきれないそこのところが魅力。
見るからの「変人」ではなくて。
病院の女性看護師たちが皆ドンファンを観るだけで虜になってしまうというのもおかしい。
ジャック医師の奥さん役がフェイ・ダナウェイ。
往年の男女2大俳優を配置したのもナイスです。
洒落た作品でした!!

ドンファン [Blu-ray]
マーロン・ブランド,ジョニー・デップ,フェイ・ダナウェイ
ワーナー・ホーム・ビデオ


「ドンファン(1995年)」
1995年/アメリカ
監督・脚本:ジェレミー・レビン
出演:ジョニー・デップ、マーロン・ブランド、フェイ・ダナウェイ、ジェラルディン・ペラス
ジョニー・デップの魅力度★★★★★
満足度★★★★☆


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