金貨が持ち去られていたのはなぜ?
カナダ金貨の謎 (講談社ノベルス) | |
有栖川 有栖 | |
講談社 |
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民家で発見された男性の絞殺体
―殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の「金貨」だった。
完全犯罪を計画していた犯人を、
臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖がロジックで追い詰めていく!
表題作「カナダ金貨の謎」ほか、切れ味鋭い中短編「船長が死んだ夜」「エア・キャット」
「あるトリックの蹉跌」「トロッコの行方」を収録。
待望の“国名シリーズ”第10弾!
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有栖川有栖さんの国名シリーズ、第10弾。
中短編5編が収められています。
中の「船長が死んだ夜」は先に別の本で読んだことがありました。
しかしそれなのに、トリック等は何も覚えていなかったというのが情けない・・・。
一番面白いと思ったのはやはり表題作「カナダ金貨の謎」。
珍しく犯人が語り手で始まります。
そしていつものように有栖からの視点と交互に話は進んでいきます。
殺害された男がいつも身につけていた「カナダ金貨」が見当たらない。
犯人が持ち去ったと思われるのだけれど、それはなぜ、何のために・・・?
犯人は最初からわかってはいるものの、多くのクエスチョンが渦巻き、
とても興味を引くストーリーでした。
「あるトリックの蹉跌」では、学生時代の有栖と火村の出会いのシーンが出てきます。
でもこれは火村シリーズ第一作「46番目の密室」にすでに書かれていたそうで・・・。
あらやだ、絶対読んではいるはずなのですが、そのストーリー自体も何も覚えていません。
・・・近いうちに、是非読み直さなければ。
で、ここではその初めての出会いの時に、有栖が書いていた「ミステリ」のことが出てきます。
有栖ファンなら必読。
国名シリーズとして、納得の一冊。
「カナダ金貨の謎」有栖川有栖 講談社ノベルス
満足度★★★★☆
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