映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

500ページの夢の束

2019年11月11日 | 映画(か行)

思いが強ければ・・・

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自閉症のウェンディ(ダコタ・ファニング)は「スタートレック」が大好き。
自分なりの「スタートレック」の脚本を書いて楽しんでいました。
あるとき、「スタートレック」の脚本コンテストがあることを知り、
500ページの渾身の一作を書き上げます。
ところが、すでに郵送では締め切りに間に合わない。
やむなくウェンディは直接届けることにして、
愛犬ピートとともにハリウッドをめざし旅立ちます。
・・・しかし自閉症の彼女は、実は一人で遠くへ出かけたことがないのです。
ウェンディは無事にハリウッドへたどり着けるでしょうか・・・?

 

ウェンディは障害を持つ人の自立支援施設で暮らしています。
彼女はいろいろなことにこだわりが強かったりします。
そして感情表現が苦手で人とのコミュニケーションが難しい。

そんな彼女はソーシャルワーカーのスコッティ(トニ・コレット)のアドバイスを受けながら、
日々のスケジュールを手順通りにこなすことで、
アルバイトができるくらいにまで通常の生活に近づいていたのです。

 

そんな彼女が「スタートレック」がとても好きなのは、
作中のスポックが感情表現できないというところに自分を重ね合わせていたようなのですね。
でも、顔に表れない感情も、文章の中では豊かな表現が深く広く息づいているようです。

バスのチケットの買い方にも戸惑ったり、途中で財布を盗まれたり・・・
実にハラハラさせられる一人旅。
いやな人もいるけれど、でもいい人だってちゃんといます。

 

何もできないと、自分も周りの人も思っている。
けれど、思いが本当に強ければ、できる力を誰もが持っているのかもしれません。
踏み出すのにはとても勇気がいるけれども・・・。

 

500ページの夢の束 [DVD]
ダコタ・ファニング
ポニーキャニオン

WOWOW視聴にて>

500ページの夢の束」

2017/アメリカ/93

監督:ベン・リューイン

出演:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イブ

 

冒険度★★★★☆

満足度★★★★☆



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