映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

HOMESTAY(ホームステイ)

2022年04月25日 | 映画(は行)

第三者目線で、見てみれば・・・

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森絵都「カラフル」の実写映画化です。
確か、本は読んでいるのですが、例によって詳しくは覚えていないので、
十分に楽しみました。

死んで魂になったシロ。
“管理人”と名乗る謎の人物から、同じく死んでしまった高校生・小林真(長尾謙杜)の体に
“ホームステイ”するように言われます。

そして、真が死んだ理由を100日以内に突き止めるように、と。
それができなければ、真も、シロも、本当に死ぬことになるというのです。
戸惑いつつも、真として暮らし始めるシロ。
家族や幼なじみ、密かに憧れる先輩などと関わりながら、
シロは真の死の真相に近づいていきます。

とりあえず、真の死は自殺なのだろうということは容易に想像がつきます。
けれどそれだけではダメで、その理由を突き止めよ、という課題になっていきます。

実は私、当ブログの「カラフル」記事中で言っています。
「真が自殺に追い込まれた背景が、やや深みに欠ける感はあります」
あらやだ、本作を見てやはり同じように思ってしまった・・・。

真は、誰にも必要とされず孤独感に囚われた結果、自殺した
とまあ、いってみればそういうことだったのです。
でも、家族は確かにバラバラだけどネグレクトも虐待もなく、暮らし向きは豊か。
学校でいじめに遭っているわけでもない。
(少し嫌がらせを受けてはいたけれど)
ちょっと気になる美人の先輩もいて、その彼女から嫌われているようでもない。
そして何より、真のことをいつも気にかけている幼なじみの晶(あきら)がいる。
何でこれで、死にたくなるかなあ・・・。

結局、周りをよく見ず、きちんと人と向き合って話をしようともしない
自分のせいである、というのが答えなわけですが(うわ!思い切りネタバレしてる!)、
あまりにも自殺を図るには根拠が薄いなあ・・・と、思ってしまう次第。

ただし、煮詰まっている本人には、実はいい環境にいる自分が見えない。
まっさらで何も知らない第三者の目線で見ることが大切、というのは納得です。

 

<Amazon prime videoにて>

「HOMESTAY(ホームステイ)」

2022年/日本/112分

監督:瀬田なつき

原作:森絵都

出演:長尾謙都、山田杏奈、八木莉可子、望月歩、石田ひかり、佐々木蔵之介

 

青春度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



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