映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

そらのレストラン

2019年09月26日 | 映画(さ行)

支え合う仲間たちがいてこそ

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「しあわせのパン」、「ぶどうのなみだ」に続く、
大泉洋さん主演、北海道が舞台のヒューマンドラマシリーズ第3弾。
前2作は見ているので是非見たかった作品なのですが、見そびれてしまっていました。
このたびやっと視聴。

せたな町の海が見える牧場で、牛を飼いながらチーズ工房を営む亘理(わたる)(大泉洋)。
妻(本上まなみ)と娘、そして近所の気の合う友人たちに囲まれ、
充実した毎日を送っています。

あるとき、札幌から有名レストランのシェフが訪れ、
彼の調理によって自分たちの食材がさらにおいしく食べられることに感動した仲間たち。
地域の皆にもこのおいしさを知ってほしいと思い、
一日だけのレストランをオープンすることを思いつきます。

そんな矢先、亘理のチーズ作りの師である大谷(小日向文世)が倒れ・・・。

 

本作の主人公は何もないところから牧場を作り上げたというわけではないのです。
父親の後を継いだ、ということで。
だから何も苦労はないのかと言えばさにあらず。
作中の最後の方で、ようやく彼の本心が語られるわけですが、
頼りの父が亡くなりその後をたった一人で継がなければならない恐怖を、
冬の牧場のすさまじい吹雪の中、彼は感じていた。
そんな彼に進むべき方向を示し、勇気を与えてくれたのが大谷なのです。

しかしその大谷の死により、亘理の心に以前の恐怖がよみがえってしまったのでしょう。
牧場を続ける意味も意欲も失ってしまう・・・。
そうした中、なんとか彼の気持ちを引き立てようとする仲間たちの言動がいじましい。

新しい農業や食のあり方を描く、素敵な作品。
3作中では一番好きかもしれません。
一見気楽に行っているように見える農業。
でも実はそうではないと言うところを、
「いかにも」ではなくて、ほんの少しの語りの中からのぞかせるというのが、
私には心に迫りました。

都会から脱サラでやってきた、新米酪農家役の岡田将生さんもよかった~♡
やはり作品には花がなくては!

 

そらのレストラン DVD
大泉 洋,本上まなみ,岡田将生,風吹ジュン,小日向文世
アミューズ

<J:COMオンデマンドにて>

「そらのレストラン」

2018年/日本/126分

監督:深川栄洋

出演:大泉洋、本上まなみ、岡田将生、マキタスポーツ、風吹ジュン、小日向文世

北海道度★★★★☆

満足度★★★★☆



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