映画と本の『たんぽぽ館』

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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

2021年04月27日 | 映画(あ行)

クラスで最も無口な子だけど

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生まれたときからウェブサイトやSNSが存在する
ジェネレーションZ世代のティーンを描きます。

8年生、すなわち中学校生活最後の1週間を迎えたケイラ(エルシー・フィッシャー)。
内気で、人と接するのがちょっと苦手です。
親しい友人もいません。
“クラスで最も無口な子”に選ばれてしまう始末。

そんな彼女が、SNSで「自分らしく、自信を持って」と
人にアドバイスする内容の動画をアップするのですが、
誰も見てくれません。
人に呼びかけているようで、実は彼女自身に言い聞かせている言葉でもあるのですね。
自分でそう言ったのだから・・・と、
勇気を振り絞り憧れの男子や女の子たちに近づこうとするケイラですが・・・。

自意識過剰で内気、自分に自信が持てない13歳。
まもなく中学を卒業し高校生となることへの恐れ。
多かれ少なかれ、誰でもこんな気持ちに陥ったことがあるのでは・・・。

大丈夫、と、ぎゅっと抱きしめたくなってしまいます。
それはかつての自分のような気がするから・・・。
ジェネレーションZ世代、といっても
結局私のようなおばちゃんの思春期とあまり変わらないのではないかな?

ケイラの父母は離婚し、母親が家を出て行ってしまったようです。
だからケイラは父親と暮らしているのです。
男手一つで思春期の女子を相手にするのは大変そうです。
心配すればするほどイヤがられる。
食事中もスマホから目を離さない娘を扱いかねている・・・。
彼の心許なさと心配と戸惑いが身にしみます・・・。
私の年代ではやはりどうしてもこの父親目線になってしまいます。

でも、たとえケイラがどんな存在であろうとも、家族としての愛は変わらない。
常にケイラの幸福を願っている。
たった一人のそんな存在が結局はケイラを支えるのでしょう。
これもまた、世の中がどんなに変わっても、変わらないことの一つかもしれません。

 

<WOWOW視聴にて>

「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」

2018年/アメリカ/93分

「世界でいちばんクールな私へ」

監督・脚本:ボー・バーナム

出演:エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン、ジェフ・ライアン

思春期度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



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