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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

塔の上のラプンツェル

2020年05月15日 | 映画(た行)

美しい金髪描写にうっとり

* * * * * * * * * * * *

言わずと知れたディズニーアニメですが、
まだ見ていなかったのと、ちょうど地上波TV放送があったので・・・。
まともにTV放送で映画を見るのも久しぶりかも・・・。
CMが入るのがやはり煩わしいですが。
ウォルト・ディズニー・スタジオ長編アニメ第50作とのこと。

 

なんとなく見たいと思っていたのは、
ラプンツェルが18年間も塔に閉じこもっていた・・・ということで、
なんだか今、身につまされる感じがするので。

生まれてすぐ魔女にさらわれ、18年間塔の中だけで過ごしてきたラプンツェル。
彼女の長く美しい金髪は不思議な力を持っています。
盗賊のフリン・ライダーは、山奥の谷にそびえる高い塔を見つけ、
中に入り、ラプンツェルと出会うのです。
ラプンツェルは、毎年自分の誕生日の夜、美しいたくさんの灯りが夜空を飛ぶので、
ぜひそれを近くで見たいと思っていました。
そこで、フリンに自分を外に連れ出してほしいと頼むのです。

始めの方で、彼女がこの退屈な塔の中だけの生活をどう過ごしているのか、
そんな紹介シーンがありまして、
料理を作る、本を読む、絵を描く・・・
なるほど、でも考えつくことはほとんど皆同じだなあ・・・と思った次第。
やはり、広い外の世界のほうがいいですよね!!

とはいえ、息苦しいけれども居心地の良いこの空間。
そこから出るのには実は勇気も必要なのです。
彼女は母親(のフリをしている魔女)にきつく止められているからというばかりではなく、
やはりいざというときにはためらってしまうのです。
だって、物心ついて一度も外の世界に出て行ったことがない。
今さら出て行くのは怖すぎます。
そういえば、「海の上のピアニスト」を思い出しました。
あれも生まれてからずっと船上で育ち大人になって、
一度も陸へ降りたことがないピアニストは、
レコードデビューというチャンスを目の前にしてさえも、
ついに怖くて船を下りることができない、という話でしたね・・・。
しかし、ラプンツェルはまだ若く好奇心に飛んでいて、しかもフリンの励ましもある。
ということで、大事な一歩を踏み出すわけです。


魔女はつまりグレートマザー。
大事にする余りがんじがらめにして支配しようとする。
そこから逃れ、独立しようとする子の物語でもあるわけです。


さてそれにしてもアニメでこの美しい金髪の描写。
素晴らしいですね。
実にうっとり。
(それにしてもいくら何でも長すぎて邪魔でしょ!といちいち思ってしまうけど)


それと私が好きだったのは、フリンの表情。
実に思ったまま顔に出ますよね。
その表情の変化を見ているだけでホント退屈しない。
ナイスガイであります。
そしてまた、あのお馬さん、マキシマムがまたいい!! 
大好きです♡
たくさんの行灯が空を舞う美しい情景も素晴らしかった。
それは生まれたばかりでさらわれてしまった王宮の赤子を偲ぶためのモノなのですが、
それと知らずうっとりと眺めるラプンツェルという状況も、涙を誘います。
文句なく楽しめました。

<地上波テレビ視聴にて>
「塔の上のラプンツェル」
2010年/アメリカ/92分
監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード

映像美★★★★★
満足度★★★★★