ブラックと遊び心の短編集
* * * * * * * *
今度の坂木司は黒いゾ・・・ブラックな笑いと驚きに満ちたショートストーリー26編
との文庫帯のキャッチコピー。
ちょっと興味を引きますね。
さっそく読んでみました。
ところが、始めの方のいくつかを読んだ限りでは、ブラックって、どこが?
と思うのです。
別にそれほどでもないんじゃない?と。
でもさらに読み進んでいくと、なるほど、確かに!
この短編群は、光文社のPR誌「本が好き!」に連載されたもので、
順番は掲載順なのでしょう。(多分。)
なので、次第に作風が変化していくのを読みとるのも一興です。
グロテスクなもの、病んだ心が不気味なもの、生理的に不気味なもの・・・
でも中には、
いかにもグロテスクを装いながら、意外な結末を迎えるもの、
ユーモアに満ちたオチのあるもの
などもあり、
それぞれの趣、どれも楽しめてしまいます。
戦争で人類滅亡。最後に残った二人の兵士。
彼らがこの先希望を持って生き延びていくためにとった行動は・・・?
「最後の別れ」
何故か突然穴を掘り始めた男。
宝石が出ようが土器が出ようがお構いなしにひたすら掘る。
何ヶ月も何年も掘り続ける。穴の中での食料調達は・・・?
「穴を掘る」
万華鏡のように、美しく模様を変化させていくネイル。
格安の店を見つけてさっそく契約したけれど、その正体とは?
「最先端」
隣室で繰り広げられる殺戮。
男はその後肉を拾い集めるのが仕事。
これはおぞましいホラーかスプラッタのストーリーなのか?
「肉を拾う」
ある村で行われている他言無用の祭り。
17歳の男女に行われる通過儀礼だというこの祭りは、
とてつもなく残酷なものだというのだが・・・。
「秘祭」
次から次へと後を引いて読みたくなってしまう、そんな一冊です。
さて、ブラックさは坂木司さんには意外、と確かに一瞬思うのですが、
考えてみると「ひきこもり探偵」シリーズなどでも
人の「悪意」が見え隠れする部分がありました。
決してほのぼのとか、癒しとか、いうだけの作風ではないですよね。
何となく納得してしまう作品群なのでした。
「短劇」
満足度★★★★☆
![]() | 短劇 (光文社文庫) |
坂木 司 | |
光文社 |
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今度の坂木司は黒いゾ・・・ブラックな笑いと驚きに満ちたショートストーリー26編
との文庫帯のキャッチコピー。
ちょっと興味を引きますね。
さっそく読んでみました。
ところが、始めの方のいくつかを読んだ限りでは、ブラックって、どこが?
と思うのです。
別にそれほどでもないんじゃない?と。
でもさらに読み進んでいくと、なるほど、確かに!
この短編群は、光文社のPR誌「本が好き!」に連載されたもので、
順番は掲載順なのでしょう。(多分。)
なので、次第に作風が変化していくのを読みとるのも一興です。
グロテスクなもの、病んだ心が不気味なもの、生理的に不気味なもの・・・
でも中には、
いかにもグロテスクを装いながら、意外な結末を迎えるもの、
ユーモアに満ちたオチのあるもの
などもあり、
それぞれの趣、どれも楽しめてしまいます。

彼らがこの先希望を持って生き延びていくためにとった行動は・・・?
「最後の別れ」

宝石が出ようが土器が出ようがお構いなしにひたすら掘る。
何ヶ月も何年も掘り続ける。穴の中での食料調達は・・・?
「穴を掘る」

格安の店を見つけてさっそく契約したけれど、その正体とは?
「最先端」

男はその後肉を拾い集めるのが仕事。
これはおぞましいホラーかスプラッタのストーリーなのか?
「肉を拾う」

17歳の男女に行われる通過儀礼だというこの祭りは、
とてつもなく残酷なものだというのだが・・・。
「秘祭」
次から次へと後を引いて読みたくなってしまう、そんな一冊です。
さて、ブラックさは坂木司さんには意外、と確かに一瞬思うのですが、
考えてみると「ひきこもり探偵」シリーズなどでも
人の「悪意」が見え隠れする部分がありました。
決してほのぼのとか、癒しとか、いうだけの作風ではないですよね。
何となく納得してしまう作品群なのでした。
「短劇」
満足度★★★★☆