映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アンストッパブル

2011年01月15日 | 映画(あ行)
列車の重量感に圧倒される



            * * * * * * * *

大量の化学薬品とディーゼル燃料を搭載した貨物列車が無人のまま暴走。
これは、実際にあった事故を元にしたストーリーとのことです。
整備不良と人為ミスから起こった事故。
それを食い止めようとするのは、ベテラン機関士のフランク(デンゼル・ワシントン)と、
新米車掌のウィル(クリス・パイン)。
フランクはまもなく強制退職させられることになっており、
コネで入ってきたと思われるウィルには愛想良くは振る舞えない。
ぎくしゃくした二人だったのですが、
なんと暴走列車の走路を真っ正面から進んでいた!



ひたすら爆走する列車をいかにくい止めるか、
とにかくそれだけの映画といっていいのですが、
この迫力と緊迫感が途切れることなく、まさに手に汗を握る作品でした。
巨大な鉄の塊の機械、そういう重量感がリアルに感じられます。
ふだん駅で見る列車にそのような威圧感を覚えたことはないのですが、
この作品、その機械が何だかとても恐ろしく感じられました。
当たり前の道具として見ているけれども、実は恐ろしいものなのですよね。
39両編成、全長800メートルの列車。
これが暴走したときのエネルギーだなんて、想像を超えています。
危険物を搭載していなくても充分危険ですよ・・・。
しかし、上層部はその危険性よりも、経済性つまり会社の損害の心配の方が優先。
上層部の決定が、司令室のコニーに届いていなかったり・・・と、
実際にありそうな混乱がまた恐ろしいです・・・。
あとは、フランクとウィルの若干ごたごたした家庭の事情も語られますが、
まあ、それは付け足しと思っていいでしょう。



それから、この映画中では結局死者は一人も出ませんね。
必ず犠牲者がつきもののこういう作品には珍しい。
そんなものが無くてもヒーローやスリルは充分に語れる。
真っ正面から列車の迫力にかけたこの作品、
見事でした。



とにかくその迫力いっぱいの重量感、スピード感を楽しみましょう。
そして、命をかけて不可能に挑戦する二人の奮闘に拍手!!
いやあ、面白かった・・・と、大満足で劇場を出ること請け合い。
これは家庭のテレビ画面でなく是非劇場の大画面で見るべきです。

2010年/アメリカ
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン