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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「最低で最高の本屋」 松浦弥太郎

2009年11月30日 | 本(エッセイ)
最低で最高の本屋 (集英社文庫)
松浦 弥太郎
集英社

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敬愛する松浦弥太郎さんの自伝的エッセイ。
氏は18歳で渡米。
アメリカの書店文化に関心を持ち、
グラフィック誌を日本に紹介して売るというようなことを出発点として、
幅広く編集や執筆活動に当たっています。
トラックによる移動販売書店で話題を集め、
現在は中目黒に古書店「カウブックス」を開業。
「暮らしの手帖」編集長でもあります。

この方の、誰とも違う経歴、発想、生き様に惹かれます。
氏が大切にしている本で「就職しないで生きるには」という本があるそうなのです。
著者レイモンド・マンゴーがシアトルで一軒の小さな本屋をはじめる物語。
就職しないで・・・というのは仕事をしないで、ということではありません。
会社などの組織に属さないで、自分の才覚でやりたい仕事をする、
ということなんですね。
松浦氏はまさにそういう生き方をしてこられたわけです。
いい学校を出ていい会社に勤めて・・・、そういうことばかりが生き方ではない。

"歩む道はたくさんあって、
その道それぞれによさがあって、
それは選ぶことができて、
選ぶものがなければ、新しくつくればよくて、
何回やり直しても自由に、
止まったり引き返したってよいのです。"

いい言葉ですねえ・・・。
この本には彼の出発点となる仕事のことなどを始め、
歩んできたこれまでのことが書かれていまして大変興味深い。
まさに組織に寄らず、自分のやりたいことをしていらっしゃる。
一度きりの人生なら、
好きな仕事をして好きなように生きてみたいものだなあ・・・、
と、私が思うには遅すぎか・・・。
いやいや、今からでも。
う~ん、でも、私って何がしたいのだっけ???
ダメだこりゃ。
そしてまた、したいことはあっても、お金になりそうにありません・・・。

まあそれはともかく、
若い方は、多少の無鉄砲を覚悟で
自ら飛んでみるのもいいのではないでしょうか・・・?

そういえば、最近「暮らしの手帖」は見ていません。
松浦氏が編集長になって、どう変っているのか、
今度覗いてみることにしましょう。

満足度★★★★☆