写真集「ターシャの庭」
私の敬愛するターシャ・テューダーさんの訃報がありました。
バーモント州マールボロの自宅で、92歳とのことです。
彼女は1915年アメリカ、ボストンで生まれました。
絵本作家として活躍していましたが、
すごいのはその先で、57歳になってからバーモント州マールボロの現在の自宅に移り住み、
広大な敷地を花で埋め、自身は19世紀の生活様式で、暮らしていました。
花を育て、ヤギの乳を搾り、薪のかまどでパイを焼く。
ほとんど自給自足。
花々や、動物たちの絵を描き、編み物をし・・・。
スローライフなどと、いまどきの人は言いますが、
そんな言葉のかけらもない頃から、そんな生活を守り通していたのです。
日本でも、絵本作家として、
ガーデニング好きの人にはあこがれの人として、
そして、今風のエコロジー生活の見本として、
いろいろな方面から注目されている方で、
私にとっても、どの方面から見ても尊敬に値する方だと思っていました。
このような写真集も、たくさん出版されていまして、私も、何冊か持っています。
よく映画などで見る1800年代イギリスの片田舎、
そうそう、あのジェイン・オースティン作品の映画に出てくる雰囲気。
陳腐なたとえですが、懐かしいといっても、日本でそんな光景に出会うこともなし、
映画で想像するばかりですが・・・。
そのような生活に憧れはするものの、なかなか実際にできるものではありません。
仮に、それだけの土地が手に入ったとしても、結局私にはできないだろうなあ・・・。今のこの、文明社会を振り捨てる勇気は私にはない。
だからこそ、それを貫きとおせちゃう彼女にあこがれてしまうのかも知れません。
それから、彼女に親しみを感じるのは、彼女の愛犬がコーギー犬ということもあるんですね。
我が家の愛犬と同じなので・・・。
彼女の写真集に、コーギー犬を探すのも、楽しみの一つです。
彼女の絵本にはコーギー犬の村のお話もあります。
・・・そんなところで生活する犬は幸せですね。
とにかく、私が初めて彼女を知った時にも、もうかなりのご高齢でしたから、
いつかこんな時が来るとは思っていましたが、
今、こんな時代だからこそ、彼女の死は残念です。
ご冥福をお祈りします。