(DVD)
マンハッタンの建築技師フランク、そしてイラストレーターのモリーはそれぞれ結婚しています。
この2人の初めての出会いは、クリスマスでにぎわう書店。
プレゼントの荷物をたくさん抱えた2人は
お互いの買ったプレゼントの本の包みを取り違えて持って帰ってしまうのです。
次に会ったのは列車の中。
ちょっとした会話をするうちに、次第に相手を好ましく感じ始めます。
結婚しているといっても、心に鍵をかけるわけには行きません。
いつしか、毎日見る顔にはときめきは感じず、
新たな出会いに心弾むなんてことは、大変ありえることですよね・・・。
ただ、分かれ道はその先なんです。
もう形骸化している結婚なんて振り捨ててしまえるのか。
でも、一度は神の前で誓った結婚なのだから、他の人に心変わりなんて、とんでもないと思うのか。
この2人の男女は、もう、「若い」といえるような年齢ではありません。
だから、たちまち燃え上がりはしないし、互いに惹かれれば惹かれるほど、罪悪感も強くなってくる。
一度は、結婚も振り切ろうと思ったのだけれど、やはり最後の一線を越えられない、分別ある2人。
とうとう、なにもないまま、フランクは仕事でヒューストンへ旅立つ。
このような切なさが、見所なのであります。
20年以上前の作品ですね。
メリル・ストリープ出演作品は、先日もみたので、その若さに特別驚きはしませんでしたが、
ロバート・デ・ニーロ!・・・いやはや、若いです。
銀幕の中で、いつまでも、一番ステキな時期が封印されている。
スターの特権ですね。
さて、この話のラストは、一年後、
またクリスマスに同じ本屋で出会う2人。
実は2人とも、それぞれの結婚を解消しているのですが、それを言い出すことができません。
ぎこちなく会話し、別れる二人。
ウソー。
それで終りじゃないでしょ。
ほら、ちゃんと言うべきことをいいなさいよ~、
と実にやきもきさせられるのですね。
この辺が映画作りのうまいところ。
そして、これって、結構リアリティがあるかも。
そうですよ、言えそうでなかなか言えませんよね。
相手はもう終わったことだと思っているに違いない・・・。
いまさら、独り身だといっても、無駄・・・。
そんな思いが強くある。
勇気が出ない。
観客はそこで思い切り、2人の背中を押し出すわけです。
大変納得できる大人の恋愛ストーリー。
1984年/アメリカ/106分
監督:ウール・グロスバード
出演:ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ、ハーベイ・カイテル、ダイアン・ウィースト