映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

最高の人生の見つけ方

2008年05月18日 | 映画(さ行)

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。
この大御所2人の出演ということで、楽しみにして見に行きましたが、期待以上のものでした。

実直な自動車整備工カーターと、豪放な実業家エドワード。
病院で同室となった2人は、癌のため同じく余命半年と宣告を受けるのです。
そこで2人は、バケット(棺おけ)リストを作成。
つまり死ぬまでにやっておきたいことをリストとして書き出し、一つずつ実行しようというもの。
この映画の原題が、本当はこの、「バケットリスト」なんですね。

大富豪であるエドワードの資金力にモノを言わせ、片端から実現していく。
しかし、真っ先にやってみたのが、スカイダイビング、というのが恐れ入ります。
憧れのスポーツカーでカーチェイスをしてみたり、
アフリカでライオン狩りをしてみたり・・・、
まさに少年の日からの夢を実現させていくのです。
2人の楽しそうな顔!!


映画の中でこんな問いかけがあります。
自分の死ぬ日を知りたいかどうか。
ほとんどの人が知りたくない、と答えるそうですが、
ナレーションのカーターは、知りたいという。
それは、死ぬ時がわかっていれば、その日までにやりたいことができる、ということなんですね。
けれども、たいていの場合は死ぬ日などわからないもの。
2人には残酷な宣言ではありますが、
とりあえずは余命ということで、図らずも死を迎える時期もおよそ検討がついてしまった。
これはむしろラッキーかも知れない、と思えてしまいます。
死の宣言を受けていながら、妙にあっけらかんと作ってあるこの作品。
でも、だからいいんですよね。
これはいわば、こんな風に死を迎えてみたい、という私たちの夢なのだから。


「世界一の美女とキスをする。」
この希望の実現の仕方は、この映画のうまい落としどころ。
それから、エドワードの秘書トーマスも、ここではキーパーソン。
彼は、憎まれ口を聞きつつも、実は、エドワードが嫌いではないようです。
そんなふとした温かみもいい。
ちょっと落ち込んだような時に、また見てみたい映画です。

2007年/アメリカ/97分
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ、ロブ・モロー

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