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歴史読本11月号 老北京 景泰藍  

2013年09月28日 | 老北京
 自分も染織をやっていたぐらいで、工芸の好きな私、基本的に中国の工芸品は全部、好きなんですが、ひとつだけ苦手なのがありました。
ハイ。あの王府井のお土産売り場などにある、極彩色の巨大な悪趣味なツボです。子供の身長ぐらいなのもある。




 ……うっわー。目が汚れる。



 今回、取材したり調べてよくわかりました。
 これを景泰藍(中国の琺瑯の工芸品)だと思うのは、浅草で売っている KIMONOを見て、日本の和服を語るようなもの。
 西陣の人、怒るわな。


 景泰藍はいい時代の本物はそれはきれいです。
 トルコ石とか、宝石(半輝石)を砕いて顔料にしてました。

 故宮博物館 清朝のポット

 故宮博物館所蔵 琺瑯(景泰藍)


 今の制作現場も見てきました。






後継者難で、国が聾唖の若い女性を送りこんでいました。
 身ぶり手ぶりで技術の継承。
 こういう顔料って、けっこう毒性が高いので、ちょっと心配でした。(顔料の制作所もだから工場から移したそうです)。
 あいかわらずディープな中国様。
 日本の西陣とかって、奈良、平安の技術も色も全部、再現できるんですが(資料も保存)、景泰藍は清朝のものでさえ、全部、途絶えています。


 今回の歴史読本の写真は、財政難の故宮から追い出され、外国人に売る景泰藍を必死で作る人々を活写した一枚。
 ぜひご覧ください!



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