谷崎光 中国日記  official blog  

北京発! 2018年9月3日で北京在住18年目に突入。

週刊新潮 3月3日発売号に書評、掲載いただきました。新刊「国が崩壊しても平気な中国人…」

2016年03月03日 | 新刊紹介 国が崩壊しても平気な中国人…
追記   ウブな日本人必読!『国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人』(PHP研究所)
     週刊新潮さんの東えりかさんの書評、加筆のうえ、HONZに転載されました。ぜひご一読ください!
     (新潮さんに載ってから、今に至るまで、アマゾン、中国の地理、地域研究でずっと一番なんです)
     →HONZさん掲載以後もずっーーと一番は続いてます



東芝、白物家電売却へ=中国・美的と最終調整(時事通信)

中国・美的で働く、元・東芝の家電技術者の話も入っている、「日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち」(小学館)もぜひご一読ください。美的の内部、めっちゃディープよ(3月15日) 




追記:書評いただいてから、アマゾン、地理・地域研究の中国で、ほぼずーっとNO1。
    皆様、本当に有難うございます。(3月6日午後現在)



週刊新潮 3月3日発売号で、書評をご掲載いただきました!!!
評者は東えりかさんです。

  *当初の記述は、また別の形でまとめて発表しますので、少々お待ち下さいね!




新刊のご案内 「国が崩壊しても平気な中国人・会社がヤバいだけで真っ青な日本人」(PHP研究所)

2016年01月29日 | 新刊紹介 国が崩壊しても平気な中国人…

新刊、発売になりました。
ぜひ、書店の店頭でご覧ください!!!

今の、本当のリアル中国とビジネスの現実を知りたいなら、間違いなくこの本です。


新刊のポイントは、まさにこの帯が言い尽くしているかと思います。

本の最初の文章、「日本人が腹黒中国人に金を積んでも学ぶべき、たった一つのこと」から。

んなもん、あるのか! という日本人の方々。



あります。


一個だけ。


この夏、北京の広安門の菜百首飾という、地元中国人で押すな押すなの巨大な金ショップに居た時、
つくづく思いました。

それは……。

知りたかったら、本買ってねー。


……ウソよ。
それはこれです。



   

そう、彼らは、
国が崩壊→戦国時代→崩壊→戦国時代を繰り返してきた
不安定な世界を生きるプロなんですね。

プロ不安定。
 
 
 今、日本では中国崩壊論が幅を利かせています。

 崩壊本を買いすぎて、オレの財布が崩壊だーという方もいらっしゃるとは思いますが、

 あれね、関西人の私から見ると、閉店商法「梅新の靴屋」ですね。

 いや、大阪に私が小学生の時から「あと三日で閉店セール」をやっていた靴屋があるんです。
 その靴屋は、私が中学になっても高校になっても、大学へ行っても、就職しても、会社をやめて独立しても、中国へ行っても、それから15年たっても「あと三日で閉店!」
 なんと、こないだ帰ったときも、
 「もうあかん」と垂れ幕は増えてましたが、何十年、まだ崩壊はしていない。
 中国も、「もうあかん」の垂れ幕をかけられて長いですが、そう簡単にはつぶれない。

(余談ですが、この靴屋の主力商品はシークレットブーツ。他人の「もうあかん」 に引き寄せられる人を象徴していてシブいです)

 私は、中国はここ何年間かはまず崩壊しない派ですが、現地の人は中国人も、大手日系企業の代表も、皆ほぼ同じです。
 いわゆる金融とか、シンクタンクとか先読み系の商売も同じです。
 超絶悶絶問題だらけなのに、なぜ現地の人は、崩壊しないと言い切るのか。これは現地で自腹で家を買ったり借りない限り、絶対、わからない。その秘密もバッチリ書いてます。
 中国がいいって言ってるんじゃないよ。私ら、あの大気汚染の中で暮らしてますねんで。


 それに皆さま、大事なことを忘れているのでは……。
 そう、中国人は国の崩壊なんて、慣れっこです。

 『国が消えても、爆買いだ!!!』という私が考えたコピーはボツになりましたが(笑)、
 大陸の今の60代後半以上は、全員、崩壊した大陸の中華民国生まれ。つまり両親や祖父母は国のリアル崩壊経験者。香港なんか、基本全員、難 民の 国ですし、お年寄りだと何度も崩壊、みたいな。世界にこういう人々は少なくありません。
 

 中国のネットショップ タオバオでは、おばあちゃんのタンスから出てきた、当時、紙くずになった中華民国のお金(本物)や、占領していた日 本の 現地発行の日本円札や軍票が一枚50円ぐらいでいっぱい売られてます。

 万が一かもしれませんが、未来の『円』の姿かも……。
 ATMが突然、止まって、何カ月もお金が引き出せなくなった時の準備できてます? 



  

タイトルはちょっと刺激的ですが、けして日本人を揶揄するものではないです。

家族も含め世界中、移動可能な「関係」に依存する中国人と、「場」に依存する日本人。
成果は場に注ぎ込まれ、マイナスも場に埋めてもらい、社会的信用も会社の名に頼り、そこを離れると自分資産が大幅に減ってしまう。
だからこそ、会社(場)がダメになるかも、と、考えただけで、ビビるわけです。
「ダメになるどころか、売り上げが悪いと聞いただけで真っ青!」とは、この本の編集者さんの弁です。


中国人なんぞ、はなから会社どころか国もまったくあてにしてません。
DNA的に最初から国を当てにしていない。というか、農民とかなら頭に国の概念がなかった人もおおかった。
すべてのベクトルが自分と家族に向かう。
日本でも東北大震災の後は、家族のきずなが強まりました。
食べ物がない、家がない。戦乱でそこに住めなくなった。時の政府は助けるどころか、一番先に逃げている。
いざというときに、結局助け合えるのは血族だけということを知りぬいている。
中国は、その「いざというとき」ばかりがあまりにも続いた国です。いざというときばっかり。抜け駆け、裏切りだけが生き残る道。
ベクトルは皆自分に向かい、、ゆえに公がなくて、国も組織も簡単に滅ぶ。
しかし、家族は非常に大事にします。彼らは会社がヤバくても全然平気ですが(てか、最初から会社なんてヤバいもんだと思ってるから、自分が会社にさらにヤバいことをする)、ママに結婚の反対をされると真っ青になる。


どちらが正しいというものではありませんが、
中国人の生き方はその「場」が常にあまりに不安定だった世界の、屍累々のなかで編み出されたもの。
そして中国ほどではないにしろ、これからは日本もまちがいなくそうなる。


 そして編集者さんの発案で、楽しいカラー、32ページもついてます。
 皆さまの見たことのない、リアル中国をお届けします。カラーってね、情報量が多いんですよ。
 これを見るだけで10分間で、中国に10年住んだ中国通になれること、間違いなしです。
 どんな中国情報が来ても、外さない人になれる。

 元安から南シナ海問題、日本家電の中国原因の凋落まで、私はよく中国予想が当たるといっていただけるんですが、基本は情報量の多さです。
 みなさん、家族の行動ってだいたい予想がつくと思うんですが、それはやっぱり接している時間が長くて情報量が多いから。
 日本はもう「オトナ」になっていて、10年ぐらいでは変わりませんが、中国は成長期の子供だった。
 育つのを私はずっと見てきましたが、全然可愛くない!(笑)。しかし 今なお、ものすごい勢いで変化している。
 ひとつの国を知るのに、長期住むのに勝ることはない、とは、「新・武器としての言葉」の鈴木孝夫(慶応名誉教授)のお言葉ですが、本当にそう思う。
 
 あ、講釈はいらないね(笑)。

 お子さんがいる方も多いと思うんですが、今の日本の子供は生まれて一度も日本が良かったこともなく、子供のクレジットカードで老人が福祉を買うような世界をこれから引き継いで生きていく。
 30代、40代は、私が言わなくても、現実をひしひしと実感されているでしょう。中高年にも、今できることはたくさんある。
 日本がはじめて体験する、この不安定な時代を生き抜くヒント、そして誰も言わない中国理解のキーポイント満載です。

 本は1月27日発売。 都市部のお店に並ぶのは月末ぐらいが確実。地方はもうちょっと遅いかも。

 発売されました!


****ここからは、後書きにかえて****
 
 表紙は本当に編集者さんとデザイナーさんの力作でプロの仕事です。すでに存在しているの見たら、へーって思うだけかもしれないけど、文字原稿だけがあって、そこからそれをビジュアルで表現するのはとても大変。これ、本当に表紙の通りの内容です。
 中もスタッフの方々がとってもきれいに楽しく仕上げてくれました。写真のところ、きっと何度も見ちゃうよ!

 そして各種言論抑制? が日々、厳しくなる日本で(出版不況だからね)、本当に好きに書かせてくれた編集者さん、PHPさんに心から感謝いたします。私はブランドバッグもホテルのランチもいらないタイプで(あ、くれるというならもらいますからね(笑) カモーン! )、自分の思ったことが書けるのが一番うれしいです。いや、もちろん商売も大事ですが。


 最後に読者の皆さま、本当にいつもありがとうございます。
 最初の本からなんと20年!!! 私の書くものが、いろんな風に変化しても、ずっと買ってくださる方がたくさんいらっしゃるんですね。もちろん最近のものからファンになってくださった方々も!!!。おかげさまで、自由な立場で発言することができています。
 非常感謝!

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追記

合わせて今となっては、シャープの予言の書となってしまったこちらもどうぞ!!!
日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち(小学館)


追記:2月6日の人民元の記事は、また出すので、待っててね。