谷崎光 中国日記  official blog  

北京発! 2018年9月3日で北京在住18年目に突入。

デジタル版 『日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち(小学館)』が発売になりました!

2016年07月08日 | 新刊紹介 日本人の値段

日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち(小学館) デジタル版が発売になりました!


これはアマゾン。立ち読みもできます。



中国で負ける会社もあれば、勝つ会社もある。

ぜひぜひご一読ください。

ウェッジにて「日本人の値段」、ご紹介いただきました!

2015年04月04日 | 新刊紹介 日本人の値段

WEDGE Infintyにて、「日本人の値段」、ご紹介いただきました!!


日本人技術者を買う中国企業

『日本人の値段』
2015年04月03日(Fri)  中村宏之氏 (読売新聞東京本社調査研究本部 主任研究員)

研究員の方らしい、クールで客観的な非常にいい書評です!
めちゃ、うれしい。

うん、私も一番、びっくりしたのは、その人数の多さと一流企業の人が大量に中国企業に行っていることでした。
そりゃ、いるとは聞いていたけど、全土で何十人とか、非常に特殊なケースだと思ってた。
現実は違うんですね。
5000人て、私も多いと思ったんですが、これ、人によって反応はいろいろで、
「多いか少ないか、よくわからない」
という人もいました。

私が書きたかったのは、日本社会の変化です。
後、中国や他の国との関係の中での、日本の位置の変化。

人はどうやって、そういうことを認識しているかというと、

1.自分で見たこととか、体験、職場や学校、友だちなどから得る生情報(1次情報というか、正確にはこれも後半は2次情報なんですが、第三者の、利害とかその他のフィルターがかかっていない)。
2.メディア、書籍などからの二次情報。

これを複合して世界観を構築しているわけです。

1.のほうは、その人の居ている位置で全然違う。
地方都市のシャッターが全部閉まった商店街の中に居れば、(おい、いい話ねえよ。日本大丈夫か。もうダメだろな)でしょうし、東京のそこそこ儲けているいい会社の、年齢が上の方にいれば、「いやぁ、日本ていい国だなぁ。景気って悪い? オレ、ガマンしてきてよかった。友だちもみんなそうだよ。このまま逃げ切るべ、いけるんでねえの、後は知らない(→というか、そう組織に従うしかない)」の人も少なくない。
 また、危機感を持つヤングエグゼクティブ(すごい死語w)なら、独自の生情報網を持ち、日本の10年先を楽しく生き抜くための手を、いまもちゃくちゃくと打っているかもしれない。

2.は、実際自分で世界のあらゆることを見たり体験できるわけではないので、人の言っていることを信じるしかない。
本当は中国は、日本より空気が良くて食もすべて安全で、民主的なすばらしーい国かもしれない(笑)。←これは嘘よ、念のため(笑)。しかしそういう私も、アメリカやロシアについては人の言うことを信じるしかない。一次情報がほとんどないからです。ところが情報(数値などのデーターではなく)の実態は幻想なので、わりとどうとでも操作できるんですね。ご存じのように、実際、かなり操作もされています(程度の差はあれ、どこの国も)。ところが情報がウソだと判断を間違う。

 「あっちに美人がいるぞ!(情報) 」。ドドドドー(判断)。「ぼったくりバーにようこそ!お客さん ドアを触ったら入店したのと同じだよ。100万出しな」(結果)。「さあ、美人がいると言ったオレの取り分は50万だよな」(ウラ)。 ということも、あるかもしれない。


私は、見えない一つの現象を、できるだけフェアに可視化したかった。
うまく届いたようでうれしいです。

****
余談ですが、中国というのは、2がいつもあまりにもウソ八百のため、伝統的に1の情報入手方法が非常に発達しています。あの人たち、人とご飯ばっかり食べてるでしょ。
 法や道徳的なことを除けば、今の中国の中間富裕層というのは、

 >また、危機感を持つヤングエグゼクティブ(すごい死語w)なら、独自の生情報網を持ち、日本の10年先を楽しく生き抜くための手を、いまもちゃくちゃくと打っているかもしれない。

 を、10年前に実行した人々です。




「日本人の値段」 HONZで東えりかさんがご紹介&それがYahooニュースに転載されました!

2015年02月17日 | 新刊紹介 日本人の値段
 中国は明日が大みそかです。

「日本人の値段」、有名な書評家の、東えりかさんにHONZでめちゃうれしい書評を書いていただきました!

 HONZは本が大好きな目利きが選ぶ、「おすすめ本」の紹介サイトです。


 中国企業に転職した元日産社員の逮捕のニュースが流れてからモンモンとしていたことを、全部代わりに言っていただいたようで、なんだか涙が出るほどうれしかったです。
 

中国への技術者流出の中には、
もちろん事件性のある場合もあります。
本のテーマも「中国は日本の技術を狙っている」なんだから。
ただ全部がそうだというのは絶対ちがいます。


 本に登場していただいた方々、正直、引っかかることがあったら、取材を受けて掲載をOKできないです。
(実際、取材自体もずいぶん断られたし、取材してからやっぱり絶対ダメ、と断ってきた方もいました。当たり前ですが、あやしければ最初から取材を受けないわけで)。

1.「個人に属する経験、能力」を労働力として売るのと、2.「その社の機密データーを持ち出す」のとは、まったく別の話です。1.は合法、2.は不法です。


 昔、日本人は「転職」というだけで、1.の「個人に属する経験、能力」に対しても、
感情的になることが多かった。
 今はだいぶ変わりました。
 中国人なんか、最初から「自分資産の増強」ばかり考えてるけどね。それもいかがなものかと思いますが、彼らもいいところがあって合法であれば首になってもあんまりぐちゃぐちゃいわない。ま、労働争議はありますけどね。

 
 そして私の主張は、これからは日本社会は、ますます人材流動社会に、個人の実力社会になっていくでしょう、ということです。
 私は学校を出て会社に勤めて、当時としては珍しい「女子」の海外出張もしまくり、本当にいろんな経験もさせてもらって、上司、同僚、部下にも非常に恵まれて、それでも会社に勤めた経験の中で一番よかったのは、会社をやめたことです(転職経験者はうなづいてくれると思う)。
 日本て残念だな、と思うのは、「いい会社」に勤めると、一般にその体験が定年の時になることです。人によってはちょっと遅いかも。



 東えりかさんの書評は、なんとYahooニュースにも転載されました! びっくりしました。


Yahooは昔、このブログを始めたばかりのころも、紹介してくれました。
突然、千人単位で閲覧者が増えて、???と思ったら、なんか新ブログの紹介に載ってた。

東えりかさんもYahooも、ご紹介、本当にありがとうございました!

「日本人の値段」 日刊ゲンダイさんにご紹介いただきました!

2015年01月25日 | 新刊紹介 日本人の値段
「日本人の値段」、日刊ゲンダイさんにご紹介いただきました。
なんか、めちゃうれしいですね。
「技術者の値段」もちゃんとリアルに、書いてくださっています!

そうなんですよ。車のみならず、家電の技術者の人も、日本よりはるかに高いんです。
そして海外でそれだけ取れる人は、やはり技術とコミニケーション力と両方ある場合が多い。
ないと、淘汰されます。
もちろん機密流出狙いも存在するんですけど、中国の場合、まだ基礎的なことや問題解決をきっちり教えてほしい、という場合も多いです。
優秀な人に、とにかく工場にいてほしい。できないことが多すぎる。
韓国みたいに、技術が移転したとたん、半年で給料値下げ交渉に入るとか、そういうことはない、と、関係者の皆さん、口をそろえておっしゃってました。

客観的な、わかりやすい、いい書評を、本当に有難うございます。
今、どこもウェブ連動だから、うれしいです。ずっと見てもらえますもん。


第二次世界大戦後、中国に拘留された日本人技術者の自伝的な本があります。

北京三十五年ー中国革命の中の日本人技師(岩波新書)

この方は、たしか東北大を出て日本の超一流企業にお勤めでした。で、戦時中、中国にいた。
敗戦になり、最初は共産党に技術指導目的で拘留されるんですが、あまりに各地、各部門で必要とされるもので、
そのまま残ったんですね。
中国では、毎朝経理部がお金のつまった金庫を開けて差し出します。
「今日のお金、好きなだけ取ってください」という意味なんですね。
で、適当にお金をつかんで、それから人力車とか車に乗って、工場に行く。
またこの人が使える人で、本当に町工場から大工場まで、専門からラジオのスピーカーまで工夫していろんなことを指導する。
中国人は大喜びする。彼らはレストランの厨房でも、野菜を切る人は切るだけでほかのことはしないし、できないし…。
私がアパレルの技術者と工場に行っていた時も、技術者が「貸してみ。こうする」といって、ミシンの見本をあざやかにかけたりすると、拍手が起こってました。一緒に行っているそのアパレルのえらいさんとかは無視なんですよね……(笑)。

文革の時は、またつかまったり、
あっという間に月日が流れ、そしてある日、中国で戦後の日本製のカメラを見る話が書かれています。

いつの時代も、どこに行っても日本人は働き者というか、
是非はあると思いますが、世界中の技術者が働く今の中国企業でも、人気NO1は日本人エンジニアです。
海外は、いろんなことがありますけれど……。

日本人の値段、アマゾンにもまた入荷いたしました。
ぜひご一読ください!

週刊文春1月22日発売号 「この人のスケジュール表」にご掲載いただきました!

2015年01月22日 | 新刊紹介 日本人の値段
うわっ! 週刊文春のサイトのトップで新着記事で、出るんですね。
びっくり! めちゃうれしいです。

週刊文春の1月22日発売号、「この人のスケジュール表」にご掲載いただきました!

すごくいい記事ですね!
私、実は自分が話すのは、あまりうまくないんですよ。

見に行った映画の説明とかを友だちに会話でやると、
「あんた、『うん、おもしろくてね。だからめちゃくちゃおもしろくて、おもしろいよ』て、何がおもしろいか全然わからないよ」
とよく言われます(笑)。

道の説明もダメ。大阪人と中国人は、道の説明はヘタな人が多い。なのに両者とも世界中にいる、不思議な民族。
(自分が行くのは迷わない)

そういう人の話を、時間もかけてきちんと聞いてくださって、
週刊誌の読者にピッタリにまとめてある。
文春さんは、基本的に記者もできる人を採用していることが多いです。


おもえば文春さんには、最初の作品も出していただいて、その後も、いろんなことを教えてもらいました。

あそこは、社内が一種のシンクタンクみたいになっていて、
硬軟、どのテーマを出しても、それぞれ専門家ほど知っている編集者さんがいる。で、専門方面のお知り合いも多い。
若かったから、女性編集者さんと女性自衛隊のモーレツ訓練体験取材なんかも行きました。
そういうときも、ちゃんと上の人が、自衛隊のその駐屯地の幹部に直接電話しておいてくれたりとか、やりやすい。
泊まりがけで、女性鬼舎監が出てきて、毛布の角が立ってなーい、畳み直し!、とかありましたが……。


取材のコツも教えてもらい、
実は今回の、「日本人の値段」のなかにも、その頃に学んだことが、かなり生かされてます。
あと、今回良かったのは、担当編集者さんの「質問力」ですね。
私は説明をすっとばすところもあるんですが、そこを逃さず、ちゃんと聞いてくれる。それでふくらんだ箇所も多くあります。
いい編集者さんてね、その人の持ち味を生かして、「人に書かす」のがうまいんですよ。当然、それが仕事ですが。


私が元いた、「てなもんや商社」もそうですが、かつての日本社会というのは、内部のみならず、けっこう外部の人でも、業界みんなで教育をした。
私が最初の本を出したころも、出版業界はまだ牧歌的だったのかもしれないです。


「日本人の値段」の中に、新卒で東芝に入った技術者さんが、最初、何年かはラグビーをしていた、育ててくれる人もいた、という話があるんですが、
しかし、今回インタビューしてくれた編集者さんと話していたら、
「今は、新人、即戦力、みたいな。それで30代、仮面ウツになる、みたいな現象もあります」

あーっ、たしかに。
昔と世代別の人数比率が全然違う。
あとふつうの会社でも、昔みたいに、全員、正社員とかじゃないよね。
正社員は若くて細部の実務も知らないのに、オペレーション業務のみになる。それはキツイ。


この人口比率も個々の労働形態も変わっているのに、人事システムだけが変わってない、というのが日本社会の足をひっぱっているんでしょうね。


「成果主義」といっても、人事システムを全部細かに「ちゃんと」変えようとするから無理がある。そんなの日本では難しいです。
前の、年功序列の形態もひきずっているんだし。

そうでなくて、まずは、「目立つ成果をあげた人に、目立つ褒賞を渡す」ことからでいいと、私は思うんですが。

たとえば青色発光ダイオードの、ノーベル賞の中村さんね。
最終、訴訟になり、一審で200億円払え、二審で8億で和解しましたが、
これ、最初に1億円のボーナスを出しておけば、中村さん、会社やめなかったし、アメリカ人にもならなかったと思う。
で、会社と共同でもっといい研究ができたかも。日本の人的財産も流出しなかった。
会社には裁判時の推定利益だけで1200億円も儲けさせているんだから。(もちろん会社の貢献も大きいです)。
徳島のイチ企業じゃなく、世界の日亜化学になっていたかもしれない。いい研究者もきたりして。

それを2万円とか渡して、海外研究者から「スレイブ中村」と笑われるはめになった。
こういう場合の報奨金はお金だけどお金じゃない、評価の証明でもあります。
社長賞の5万円、とかじゃなくて(→昔、グループ会社のをもらいました。私の場合は当時の世相で女性も仕事しているという客寄せパンダ用と上司の力でしたが)、もっと、おっ、という金額を、年齢、性別関係なしで、やる。
別に毎年払うわけじゃないから、若くてもいいんですよ。もちろん来月、定年でもいい。
中国なんて、工場長、ボーナス3億円とかです。
「できる」人でも、べつに一生、ずっと「できる」わけでじゃない。
極端に目立つ成果を上げたときは、その時に、ある程度もらったらいいと思うんですよ。
ところが日本は、個人への還元ではなく、
「オレは経費、どれだけ使えるか」競争になっていく。人間て、神様じゃないから、自分がソンしていると思うと、埋める感覚が働き、腐敗も生む。
日本が世界有数の経費大国なのはそのあたりです。
 でもそれって会社にいる間だけだし、現金でもらったほうがいいよね。
 とくに女性はそう。

 
それに一番いいのはポンと、報奨金をもらえば、それを見ている人々が「おれも一発、当てるか!」と、がんばると思うんですね。
会社でポーンとヒットを飛ばすのは、意外な人なことも多いしね。
日本て、人材以外、あまり何もない国です。価値を創造するしか、それを促進するしか、生き延びる道はないです。


優秀な人はほっといても、金銭的評価がなくても、頑張るんですよ。でもそういう人は数が少ない。
反対に、職を間違えてやる気のない人は、会社が何をしてもダメ。
やり直しの効く若いうちに辞めさせてあげるのが、会社の情けだと私は思います。歳取ってても、やり直したほうがいいよ。人生は一度です。
一番怖いのは、そういう人に長くいるからというだけで高待遇にすると、下にそれがいいことだと教育することになってしまう。
場所さえ変えれば力発揮できるのに、流動社会じゃないゆえに、ひねくれていく人も多い。一番もったいない。

がんばる、がんばらない、どっちにも転ぶ、人数の多い中間の人にいかに高くモチベーションを持ってもらうか、というのが日本が活性化するポイントだと私は思うんですが、いかがでしょうか?
 

PS:いい記事で、アマゾンサイト、さっそく売り切れですが、小学館さんのサイトからも購入できます。

新刊「日本人の値段」 日経新聞の書評に載りました! 

2015年01月15日 | 新刊紹介 日本人の値段
やったー!

新刊「日本人の値段」、日経新聞の『目利きが選ぶ今週の3冊』にて、とっても良い書評を書いていただきました。

日本人の値段 谷崎光著 中国に渡った技術者描く

書いた意図とか、実態を本当によくわかってくださっている(涙)と思ったら、選んでくださった評者は福山大学教授で経済評論家の中沢孝夫先生。
いわゆる先生然とした方ではなく、ご自分でいろんな企業や商店街の調査もされます。
「自分自身の限界の自覚」というのは、すなわち「日本社会の限界」でもあります。
誠実な感じの書評なんですが、アマゾンの順位がいきなりめちゃくちゃアップ。こんなことは著者が言わないほうがいいのかな。でもね、技術者じゃないけどお金が欲しかったら、こんな仕事はしておりません。まったく売れないと人に迷惑もかけるしね。


日経といえば、大阪の私の実家は、日経新聞大阪本社から歩いて5分ぐらいのところで、
ビルが建った時からよく見ていました。
今は知りませんが、当時は地下が印刷所になっていて、そこで人が働いているのが外から見える。
父が小学生の私の手を引きながら、
「コンピューターで組版をして、すぐ新聞ができるんや」
などと教えてくれる。

高校生になると姉と手をつないで、毎日、大阪本社前を通って徒歩通学してました。(もうちょっと行くと、やっぱりNHK大阪本社があります)。

で、処女作を書いたときに、やっぱり日経に書評を載せてもらって、
大阪本社の記者さんが、それを告げに電話をしてくれたんですね。


その頃はもう別の場所で一人暮らしをしてましたが、実家のマンションの中の、別の一室を事務所にしていて、
そこで電話を受けた。
子供の時から知っている、あのビルの中から、私に電話が来たーと思うと、ものすごく不思議な気がしました。
屋上に行ったら、窓から電話している記者さんが見えるような気がした。
思わず、
「家は日経で、子供の時からずっと『私の履歴書』読んでました」
と、言ったら、
「あれはねー、社内では、『私の自慢書』と言われてるんですよー」

と返されて、ウケました。
あ、いけない、こんなことを書いては(笑)。せっかく書評載せてくれたのに。
ま、関西人と言うのは、何か褒められたら落とさなくてはいけない、という鉄の義務感がある。それに昔はもっと財界話に終始してましたからね。


冗談はさておきまして、
ご紹介、本当に有難うございました。
正直なところ、この内容でよく『日経』が載せてくれたなぁと。新聞でも雑誌でもブログでもなく、『本』でしか書けないことがてんこもりです。お手にとっていただければうれしいです。


とにかく、この本は、仕事ができたことが本当にうれしいです。
伝えたいことがありました。
いつも凝る後書きは、実は今回、私がページ数を大幅オーバーしまして、もう調整がめちゃくちゃ大変で、目次を削ったぐらいでどうしても入らなかったんですけど、まずは取材にご協力くださった方々、そして出版にご尽力くださった方々、関わってくださった方々に心からお礼申し上げます。


来週は、週刊文春の「この人のスケジュール表」に登場させていただきます!



「日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち」 試し読み開始です!

2014年12月25日 | 新刊紹介 日本人の値段
中国、クリスマスはバブルのころに比べ、やや静かになったような……。

新刊 「日本人の値段」 小学館のサイトから試し読み ができます。(開かなければこちらから)









韓国のサムスンから、中国企業に行った技術者もいました。
 サムスンは「韓国イチの美女」がお誘いにくるそうです……。


日本て、入社のときに、契約書交わさないじゃないですか。
あれ、つまりは社員と会社が対等じゃない、てことなんですね。契約は法のもとに、対等な同士がやることだから(というフィクションを一生懸命やるのが民主主義なわけです)、結ばない。日本の就職は会社の言うことはなんでも聞きます、という一種の自己明け渡しに近い。


 では、日本人の給料とは何か。
 あれは、労働への対価ではない、「身分」に支払われる藩のお扶持だというのが、今の私の意見です。だから働かないオジサンとかがたくさんいる。かみしも着て、会社に行くだけでOK。
 一方で高パフォーマンスをあげても、配分は少ない(信賞必罰、転職も多かった戦国時代じゃなくて、江戸の名残なんです)。
 


 今の学生さんが、卒倒するほど就活に必死になるのは、「就職」じゃなくてその後の「身分」決定戦だからなんですね。



 でもね。会社で働く時間て、魚で言えば頭としっぽを落とした人生の一番おいしいところです。時間=人生。で、その時間に何をやるか、ということを、別に神様でもない人事部に握られて、ビクビクして暮らすのか。何か、おかしい。
 

 身分とは(あまり)働かなくても金がもらえる権利とも仮定できますが、逆に日本人はお金も欲しいけど、しっかりまじめに自分を生かして働きたい、という人がとても多い民族でもあります。


 人気職種の(会社じゃないよ)倍率が高いのはいいんですよ。
 何か公平な基準があれば、そこに競争が生まれ、最適化が発生し、企業は強くなる。でも日本企業はこれがほとんどありません。
 何かできる人ほど、いやになる。
 一方で、仕事への欲求度が低い人が、会社から言われたことをやるから、お金をくれ、充実はプライベートで、これもまたあり。


 お金か、身分か、仕事か、やりがいか。物語は、もちろん一人づつ違います。
 江戸時代は鎖国できましたが、今はもう人材も海を渡ります。



12月17日発売! 「日本人の値段 -中国に買われたエリート技術者たち」(小学館)

2014年12月16日 | 新刊紹介 日本人の値段
  



「もう、中国企業のほうが、お給料いいんだって」


以前から中国現地ではひそかにささやかれていました。
毎日、大量に流れる中国ネガティブ報道のその一方で、
日本の超一流企業出身の人が、大陸の中国ローカル企業ですでに大勢働いています。


直接確認できただけでも、
SONY,東芝、日立、三菱自動車、三菱重工業、コマツ、パナソニック、シャープ、住友電工……。


そして、すでにその人数はハンパではない。
水面下にいる取材相手探しは大変だったんですが、一人見つけると、
「ええ、会社には他に日本人が○○○人います」
大陸トータルでは日本人を震撼とさせる人数です。えーっ! と思いました。
働いているのはエンジニアだけではなく、営業、マーケティング、管理、水産、農業などでも活躍中。
キーマンをいったい誰が、どう探して、どう口説いて連れていくのか。
日中の国際ヘッドハンターにも会ってきました。

国策として、高額の補助金を出し、日本人を大量招聘する中国の真の意図は。

中国の会社のブラックな内部も満載です。

本は、本日、書店さんに到着。大手書店だと店頭に並んでいるかもしれません。
アマゾンはこちらから
入荷しました。

日本人の働き方は、私のメインテーマの一つで、渾身のノンフィクションです。ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。


                        ************
上のうまい表紙の装画は有名な影山徹さん、ブックデザインは新進気鋭のフォーマルハウトの黒岩二三さんです。

新刊ができるまで①  涙の著者写真掲載拒否

2014年12月12日 | 新刊紹介 日本人の値段
一冊の本ができるまでには、
笑えることも、笑えないこともあるんですが、今回、一番ワロタのはこれですかね。
いや、ひどいのよー、口止めされたけど書いてやる(笑)。



さて、出版の進行も進み、表紙のデザインが上がってきました。

いい出来です。うれしい!!!

で、思いつきました。
そうだ、自分の写真も見返しの、プロフィールのとこに入れてもらっちゃお。
(註:私とて、最初からこういうたくましい性格だったわけではありません。
いろいろあったんです。詳しくはまた)。


写真は、以前カメラマンさんがおびえながら撮ってくれた、
自分的には奇跡の一枚がある。
……もうね、中年になると写真による落差が激しくて。


でも撮影の時、カメラマンさん、なぜあんな緊張してらっしゃったのかしら。私にはわからないわー。

たった一枚に、ずいぶん時間をかけて撮ってくださって。

いいのよ、ありのままに撮ってくださったら。

本当にいいんですよ、♪ありのーままーで。オホホホ。


……ま、この歳のありのままは犯罪になることも多い。



で、編集さんへ連絡しました。
「あのー、プロフィール写真、入れてほしいんですけど」

待つことしばし。メールが返ってきました。

「カバーじゃなくて、奥付の、
(註:本の一番裏の発行日とか、落丁していたらお取りかえします、とかがはいっているとこね)、

見えないところでいいですか



なんでよー(笑)。
普通は編集者さんのほうから、写真入れましょうよ、カメラマンも手配しました、とか言ってくるのに。
ひどいわー、ひどいわー。


でもって、国際電話がかかってきたときに、直接聞いてみました。

「なんでなんですかー。ひどいじゃないですか」


すると、返ってきた答えが、

「我々は、かっこいい本を目指してます! ( ・`ω・´)キリッ 


悪かったな、かっこわるい著者で。

悪かったな、売り上げに貢献しない容姿で。


……出版が延びた理由はこれではありません。念のため。