谷崎光 中国日記  official blog  

北京発! 2018年9月3日で北京在住18年目に突入。

歴史読本 2月号 老北京の結婚式

2013年12月29日 | 老北京
 中国生活が長くなると、どうしても失われていく日本の常識……。それを思い出すためにも、実は私が愛読しているのは、ヤフートップページの『みんなのアンテナ』(笑)。

 でね、その中でいつもビビるのが結婚式の話なんですね。

 『○○したら、○○で、非常識だと思いませんか!」『私を呼ぶなら○○で』『お祝い金額が○○だった』『料理が○○だった』『そういうときはそもそも、こうするべきで!』


 いやー……。細かい決まりありすぎ。察しないといけない常識ありすぎ。
 日本人て、自分もちゃんとしますが、他人への要求も高いです。でも、その一見、同一性のたかそうな日本の常識ってやつも、意外と地方や年齢で違ったりして、一致しないですよね。

 ここで話題になって、たくさんの日本人が「それは非常識だ!」とコメントを付けていることは、
 中国では、正直、全部、問題にも話題にもなりません


 

 何かと悪評高い中国ですが、これだけは中国のほうが私は好き。
 たとえば中国で結婚式に友だちを呼んで、その人がさらに自分の友だちを突然、連れてきたぐらいで、怒る人はいない。

 対応も折り込み済みで、こういう豪華な結婚式でも、実は簡単なビュッフェだったりして、1人や2人や30人ぐらい増えても、あまり関係ない。だいたい500人ぐらい、て感じなんでしょうかね。 で、そのうちの300人は遅れてくる?ので、はじまりも予定より遅い。

  

 で、やるほうも未編集の「ふたりの慣れそめ再現ビデオ」を一時間ぐらい見せたりして、日本人からすると『不手際』だらけなんでしょうが、帰りに中国人に「今日はいかがでしたか?」と聞いたら、99%、「很好!」と心から言うと思う。

 しかし、彼らにも彼らのこだわりがある

 なんかよくわかんないですけど、高級車を連ねて花嫁を迎えに行き、その後、隊列を組んで走るのがかっこいいという……。
 ヤンキ―かよ。はい、血中ヤンキ―濃度は基本的に、高い人々です。
 車のランクが低いのにむくれて、花嫁が結婚解消したとか。北京で各色のフェラーリを並べて走ったのはニュースにもなってました。女性アナウンサーの、まあ、すばらしいわね、みたいな声は忘れられません……。








 これは勤め先の車で節約したという……。



 いかん。ぜんぜん老北京の話になってませんね。

 隊列を組むのは、昔からで、そこには『qiang婚(他の村に集団で行って女性を奪ってくる)」が結婚の基本であった、昔の中国周辺少数民族の習慣もあったかも。女性獲得に成功すれば、隊列を組んでアピールします。凱旋パレードなんですね。
 今でも、老北京式の古典風結婚式では、新郎が必ず○○を○○するんですが、これは本当は女性を力で奪ってきた、という象徴なんだそうです。(近年では野蛮だということで、違う理由に替えられていることも多いですが、昔のきちんとした資料では皆、そう)。
 詳しくは、歴史読本、2月号をどうぞ!


 いまは中国の若者も、地味婚志向の人も多いそうです。

歴史読本1月号 老北京 満族八旗

2013年12月01日 | 老北京

今回のテーマは満族八旗。
清朝の中枢で権力をほこった特権階級です。

八旗というのは、清朝の政治システム、と考えていいと思います。満族が清をつくったときの民族混合軍が基盤になってます。
で、民族混合軍なんだけど、支配者の満族の八旗だけは特別扱いでした。北京内城に住めるのは、満族八旗の幹部だけね。
で、その旗の種類で、それぞれ住むところも決っている。



 皇城は故宮のことです。
 この内城の中が北京の中の北京です。私も某、皇帝直属の旗のエリアにおりますが、
 住んでみて、本当にいろんな発見がありました。最高!

 ガラス張りのモダンな茶館の入り口に、さりげなく黄色い布が結んであったりします。
 自分たちは、镶黄旗の子孫だ、というアピールなんだそうです。わかる人だけにわかる、高度なお遊び。
 

 ま、んなこと知ってても一文にもならんがな、という、関西人の私もいるんですが(笑)。
 


 北京一、二、三中は元・八旗の学校でした。