谷崎光 中国日記  official blog  

北京発! 2017年9月3日で北京在住17年目に突入。

中国食品問題 その2 農薬ブーメラン&中国農薬輸入

2007年08月19日 | 中国食品問題
さて、私の商社勤務時代、80年代末から90年代初頭に言われていたのが、

「中国は日本の農薬のいいお得意さん」

化学会社の人とか、よく言ってました。

「中国の農民は、使い方わからないから、めちゃくちゃ撒いちゃう」
「中国語の説明書があっても、読めないからやっぱりめちゃくちゃ撒く」


うーむ、で、その農薬使った食品も輸入しているわけか…。
(まあ、日本製は高いから多くは中国製だと思うけど、高い果物とか使ってそう)

そう思って調べていたら、おもしろい言葉にぶつかった。

農薬ブーメラン(下のほうにあります)いまさら聞けない勉強室 農薬2003


2007年度MDB市場情報レポート(農薬原体)
これによると2005年、日本の農薬原体の4割が輸出用。

ふむふむ……。まあ、別に農薬そのものが全部悪いとは思わないけれど。
世界中&日本全国、葱一本まで、健康のため、すべて無農薬野菜、というのも不可能だろうし。

 どこの国の農薬を使おうが、輸出契約通りの食品を輸出するのはシッパー(中国)の責任。
 ヘタな中国製より正しく使えば日本の低農薬のほうがまだ安全かもしれない……。(中国は偽薬とか、本当に多いんです)。

ただちょっと待て。

河北新報 豊かさの死角

ん? 輸入農薬? 無登録農薬?

この無登録農薬って、2002年ぐらいに問題になったらしいけど、大半が輸入品(ここの『判明した無登録農薬(10種類)の概要』PDFファイルより)。当時、もう日本を離れていて、報道は見てないんですが、なんか奥が深そう…。
無登録農薬って、なんか「援助交際」みたいな言い回しだけど、ようは一種の密輸品で、国会答弁にも出てるのね。輸入元はネット上ではアメリカだ、というのがいくつかあるのだけど、はっきりしない。しかし農業って、大変だ



元に戻って、このちょっと古い河北新報の記事をよく見ると、中国は日本からの農薬輸出相手国として、7位だけど、輸入国(中国→日本)としても9位(2001年)。



んじゃ、今は? ということでちょこっと調べて見ました。

ジェトロ、貿易統計データーベース




私の見た限りでは「農薬」という分類はないので、「肥料」(コードED0000)「殺虫剤」(380810)「除草剤、発芽抑制剤、植物成長調整剤」(380830)、2006年の統計に絞って見てみた。品目別国別表です。
あと殺菌剤、消毒剤等もある。分類は工業製品→化学製品→①肥料、②その他化学製品→殺虫剤、除草剤……ETC。


肥料(動植物も化学肥料も含む中分類で。これ以上は専門的で私には分別不能)
日本→中国へ輸出 1,7億円  (中国は輸出相手国の9位)
中国→日本へ輸入 153億    (中国は輸入相手国の2位)

中国産肥料で基準量以上のカドミウムが検出されている…。

殺虫剤
日本→中国へ輸出 6,7億円  (中国は輸出相手国の7位)
中国→日本へ輸入 38億円    (中国は輸入相手国の1位)

除草剤、発芽抑制剤、植物成長調整剤
日本→中国へ輸出 2,4億円  (中国は輸出相手国の10位)
中国→日本へ輸入 22億円    (中国は輸入相手国の2位)


ひゃー、日本は中国からの農薬&肥料輸入大国?
野菜の残留農薬、というよりは、農薬そのものを持ってきてたのか。
 いまや
「日本は中国の農薬のいいお得意さん」

これが本当の『農薬ブーメラン』
特に殺虫剤は輸出も輸入も前年比50%の急増中。


まあ農薬といってもいろいろあると思う。ホームセンターで売っているような、
園芸用の化学肥料も多いかもしれない。日系の進出もあるでしょう。
近所のスーパーに入ったら、園芸用の日本向けの輸出流れの品が売られてました。
でも、それだけとも思えないし。

 まあこのあたりは素人なんで、何かカン違いがあるかも。
 もっと正確なところを知りたいが、ネット上にシンクタンクの資料はいくつかあるが、日中ともに有料で15万円とか。中国からだと「農薬要覧」(農水省生産局生産資材課・植物防疫課監修)も見れないし。
 もし、この「日中農薬輸出入問題」について詳しいかたがいらしたら、ぜひご教示ください。



中国のネットでは、すでに農薬輸出先のお得意様として日本の名前もかなり出ています。
個別数字のないのが中国だけど。

昨年の中国の農薬製品輸出額は、世界の15分の一に!


しかし中国の、こういう日本たたき記事もありました。2003年。

第十四回、中国新聞賞写真作品 一夜破産 二等賞

使用した日本の農薬が「不適切」で、10年苦労して育てた日本の甘柿が全滅しました。
(泣く農民夫婦の姿です)。

この農薬、「本物」だったのかなぁ。

コメント

中国食品問題・その1 野積み

2007年08月17日 | 中国食品問題
これは8月5日の記事の続き。

私が中国貿易商社に入社したのは、1987年。
同期の女性は食品に配属されたんだけど、一年でとつぜん結婚退社しました。


彼女は中国語学科卒、めざせキャリア(当時の流行)、
けっこう社会派(?)で、千葉敦子の本など薦められた私は、読んで、
(ほほー。この作者は病気になられたのは気の毒だが、しかし女性一人、海外に住むとは、世の中には奇特な人もいるもんじゃのう)などと思っていた。

→まさか自分がその千葉敦子の年に中国に住んでるとは!!!
人生、わからん……。


さて、そんな彼女がやめるときに言っていたのは、
「食品の輸入って、自分が社会にいいことしているとは思えない……」


 私が、中国は不良品ばかり作りよって、この私に残業ばかりさせて、どう成敗してくれようか~、と、私怨(?)に燃えていた頃に(でも自分の開発した服を着てる人を街で見かけるとうれしい)、アンタそんなことを考えていたのか……。
 まあ、服ってあまり罪ないからね。

「港湾倉庫の野積みなんてすごいよ。ほら、クレーム写真。何年もそのままだったりするのよ


 どひゃ~、山菜、桶からはみ出してる。野ざらし山菜。
 そうやわな。駅の山菜そば、350円、よく考えたら日本人が手で山菜摘んで、そんな値段で出せるわけがない。もちろんスキー場とかの「山菜」も、大半が当時から中国製。


最近でこそキューリの○○ちゃんも、「キュウリ、中国製」とか書くようになったらしいけど、長らく、「最終加工地」が「原産国」でOKでした。

これは服もいっしょで、よくアパレルの人が冗談で、「タグ、一枚つけても加工は、加工。これで日本製にしてまうか~」などと言ってた。まあ、アパレルは意味がないんでほとんどやらないが。


「検査とかもすごい、いいかげんでね。なんとでもできるし

これはわかる。輸入貨物全量検査なんてありえないし、
抜き取りっていっても、たいていは輸入業者が抜き取ったのを持っていく。
だいたい輸入検査の人って人手不足で、見えない品質より、まず麻薬とか密輸が大変で、
一般貨物にまでかまってられない、というのが正直なところ。



 となりの食品課で、「活鰻(カツマン)、中国側の書類不備で通関遅れで全滅!」などという声を聞くと、私は、
(どうせ死んだのなら、今夜のおかずに一匹くれんかのぉ。できれば蒲焼にして
 などと思っていたが、あれ、活きたまま持って来る場合、ナイロン袋に鰻をぎっしり入れて、酸素詰めて(薬剤の時もある)、飛行機で運んでくる。
 今は蒲焼冷凍で飛んでくるけど。

よく考えたら、家の水槽のグッピーでも薬入れるのに、水が高くてふんだんに変えられない中国のスーパーの生簀とか、薬剤だらけだろうな。
(昨日、鮮エビ買ったけど、どうも怪しくて廃棄(涙)。もったいない)

 別に前の会社をかばうわけではないけど、
 私がいたのは、流通系のいわゆる海外部が発展して商社になったところで、
 売り先に困らないのと、消費者団体に非常に叩かれやすいため、普通の大商社、卸よりはかなり良心的だったと思う。
 服も全部、自社で検査機関に出して二重検査してたもん。←ダサいのとは別。


 ただ港湾倉庫って、無法地帯で、
 せっかく染料の残留ホルマリン検査に合格したベビー服が、油断すると、刷りたてで眼の痛くなるようなカレンダーの横(インキも100%無害じゃないから)に置かれ、空気汚染されぬうちに移したりしてた。(どこに置くかでコストが全然違う。同じ倉庫内でも、よく動くものは前の方に置いておかないと人件費ばかりかかるし、パズルの組み立てが倉庫業の腕の見せ所)。


まあ、当時は今みたいに何でもかんでも輸入していたわけじゃないし、山菜そばを食べる!たびに感慨にふけるぐらいですんだが、「野積み」が話題になりだしたのは、やっぱり近年かな。


野積みの写真(これ、本サイトが見られません)



これを見て、(今はきれいになったのね…)と思った私。
現実はたぶんもうちょっとひどいかも。
港湾て夏、すっごい温度になる。


野積みされた玉ネギ、カボチャ、腐りかかった産物にびっくり

そんなもの食べるんですか? キタトマ農作業日誌


 以前、輸出入業に携わっていながら、こういうのもなんだが、
 思うのは、保存食ならまだしも、やっぱ「生鮮食品」を遠い距離を持ってくるのって、本質的にムリがあることだ、ていう認識がいると思う。
「素性の知れない食べ物」なわけで。

 中国の食品がひどいのとこれはまったくの別問題だけど、

中国の掲示板に見る汚染食品一覧


 ↑ いや、こんなのばかりじゃないが、やはりかなり怪しいのも事実。

 ただ問題はもうこういう輸入食品がないと、生命維持? が成り立たない人もいっぱいいるのが2007年の日本で、いやお金があっても口にしていると思う。
 単純に中国を叩いてスッキリ、て訳にはいかないのよん。買っているのは日本だし。


私、中国に行くとき、某愛国編集者から、
「いいですか、谷崎さん。国籍目当てで中国の男に騙されませんように!
「……(心配してくれている、と思っておこう))」
「私は中国製品は買いません!
「……(この人が今日行く、社内食堂のご飯の中にぜったい中国産あるわ)」


 いや、「グローバル社会」って、やっかいやわな。
 というわけで、次回は続きで「中国食品安全 その2 農薬ブーメラン」です。

コメント   トラックバック (1)