新装開店☆玉野シンジケート!

セクシュアリティ・科学・社会・映画

『遺伝子「不平等」社会』(池田清彦)の都合のよい誤解

2006年12月02日 13時15分23秒 | セクシュアリティ雑感
 昨日は国際エイズデーだったんで、エイズのこともいろいろ書きたいことはあるわけです(Living Togetherのこととか、世界の感染者の状況とか)が、ちょっといま忙しくてできません。またおいおい書いていきます。
 とりあえず、mixiのほうで書いてあった本の批判です。

 『遺伝子「不平等」社会』という本で、池田清彦という人が同性愛の科学について批判をしていました。この人は、ネオ・ダーウィニズム批判をしている人で、そっちのほうも気になるのですが、とりあえず同性愛の科学についての部分についてのみ、反論しておきます。


 はっきり言って、こういう人が科学の啓蒙書を書いてくれるのは迷惑なんである。
 「同性愛の遺伝子があるなんていうが、嘘っぱちだ。1つの遺伝子で決まるわけがない」とかいって、セクシュアリティの遺伝子説を否定して、あとは我田引水のごとく、「多くの要因が重なり合って同性愛という現象は生まれているはずだ」ということを、ご自分で発見したかのようにかいていらっしゃる。

 だれがいつ「単一の遺伝子で同性愛が決定される」なんていいましたか? 論文読めますか? ついでに『クィア・サイエンス』やら、僕の書いた解説の日本語読めますか?

 いくつかの家系について、候補になりそうな遺伝子があるかもしれない、染色体の位置が示唆されたってだけの段階なんであって、そこにある1つの遺伝子がセクシュアリティを決定しているなんてことは言っていない。

 結論としては、穏当な主張なんだけど、人の言ってることを自分に都合よく誤解した上で、バカ野郎扱いされると、さすがに腹が立つよ。

最新の画像もっと見る