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マングローブ林を見ながらカヌーで川下り

2009年08月07日 20時21分15秒 | 2009 西表島ツアー
 1時間半ほど滝つぼで遊んで、お昼のパスタを食べて、至福のときを過ごした後、マングローブ林を見ながら、川下りです。
 今度はのぼりよりちょっとだけのんびりですので、少し撮影できました。

 マングローブというのは、樹木の種名ではなく、群系の名称ですので、実際にはさまざまな種の植物が森林を形成しています。主に海水が入り込み遠浅の河口域に広がる森林で、耐塩性が高い特殊な植物の群落です。
 世界ではおよそ70~100種の植物がマングローブ林を形成していますが、日本では10種類ほどがあります。西表はそのうち7種がみれます。面積も、446ヘクタールほどあり、日本ではもっとも広いマングローブ林を誇ります。ようは日本でマングローブ林を見たければ、西表がFirst Choiceなのです。

 西表での代表種は、オヒルギメヒルギヤエヤマヒルギニッパヤシマヤプシキヒルギダマシあたりでしょうか。一応、Wikiをリンクしておきます。
 今回行った、仲良川(ナーラ川)はオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギが中心となる群系が、西表の中でも最もよく保存されている川です。

 ヤエヤマヒルギが見えています。
 

 河岸には、微妙な土質や川の流速によって、ヤエヤマヒルギとメヒルギが並びます。川のカーブのところでは、内側にはマングローブ林になっていますが、外側は流速が速くてマングローブ林にはなりません。アダンなどの潅木林ないし草地になっています。
 オヒルギはもう少し内陸側にいて、個体の平均の大きさは大きくなり、平均樹高が20mくらいにまでなります。日本では台風の影響もありもう少し小さいかも。

 マングローブ林の遠景です。


 ヤエヤマヒルギの根本ですが、マングローブというとこのイメージですよね。枝分かれした根を持ち、土中から呼吸根が出ています。
 


 マングローブ植物の耐塩性ですが、①塩分をフィルタリングして吸水するしくみを持っているタイプ、②塩分ごと吸収して葉から塩類を捨てるタイプ、③葉に塩類を蓄えておいてそのうち枯らすタイプなどが考えられています。耐塩性の遺伝子を探索する試みも続けられていて、いくつかの遺伝子は単離されています。これからどういうメカニズムで耐塩性が獲得されているのか次第に明らかになってくると思われます。

 さて、西表のマングローブ林も、場所によってはかなりのダメージを受けています。さきほど川のカーブでは流速が速い外側にはマングローブ林が形成されないといいましたが、仲間川などでは大型の観光ボートが行ったり来たりしているので、マングローブ林の維持や発達に影響を及ぼしているところもあります。人びとは「エコツアー」のつもりで来るのかもしれませんが、毎日1000人来る人を次から次へと強力なモーターで高波を立てながら運び、マングローブ林周辺や上流域の開発で土を流して、マングローブ林を壊しています。ガイドさんが「エコツアーというなら、うちでマングローブ林のDVDでも見てるのが一番ですよ」といっていました。それはそうなのかもしれません。

 そんなわけで、みなさんは2分43秒で亜熱帯多雨林からマングローブ林の鑑賞をして我慢してくださいね……なんてね。

西表島カヌー川下り



 
 

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2 コメント

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Unknown (kumazzzo)
2009-08-08 01:54:36
石垣島での缶詰体験すごかったですね。
ビルが揺れるとは!
それでもテレビでは台風中継していましたよ。
ただ、石垣島に滞在していながら、
島を見て回れなかったのは、残念でしたね。

シュノーケルで日焼け止めは問題外だと思うけれど、
自然に触れるためのツアーが環境破壊になってしまうのは
残念ですね。
ただ、どんな場合でも、人間が、自然に対して
畏怖や敬意を抱いて共生することが大切だと思っています。
沖縄の人は、メンタリティの深い部分に、
そういう部分があるんじゃないかなって思っています。

この時期は、もうサガリバナは見られないのでしょうかねー
自分は、一度、西表で、サガリバナの浮かぶ川面を
カヌーから眺めてみたいです。

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西表メンタリティ (玉野)
2009-08-08 06:37:37
西表島の人は環境問題と自分の生活を結び付けて考えていると思います。
石垣島はやっぱりかなり資本主義に毒されているというかなんというか…。

でも西表島にもここ数年で大きなホテルがいくつかできていて、ユニマットをヒール役にしておいて二匹目のドジョウを狙う開発も行われています。
持続可能な開発は難しい問題です。
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