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父親との会話

2005年12月09日 01時22分37秒 | 日記
 父親と電話で話しました。
 母親とはよく話をするんだけど、父親とはあんまりちゃんと話をしないんだよね。

 昨今の耐震偽装事件について、建築士としては許せないようでした。

 父親の関与した入札でも、一時期からどうやってもありえないような低額の入札があって、仕事が取れないような状態になるところがちらほらあったらしい。良心的な仕事をするには、それ相応の価格はかかる。一方で、安い入札でも仕事を取らないと食っていけない。仕事を取るためには誠実な仕事をしてばかりもいられない。デフレ・スパイラルの最悪のパターンがこういうところで、露見しているんでしょうね。
 しかも、出来上がったのみたら、花崗岩の板を玄関に張ってあったりする。どう考えてもありえない話なんだそうです。

 基礎工事や建物の土台、大黒柱は他をどんなに手を抜いても金をかけてしっかり作らなくちゃいけない、というのを最大のポリシーにして、昭和一桁世代で焼け野原にほおり出されたところから始まって74歳のいままで建築士を続けてきた人からすると、建築界の堕落は悲しいできごとのようでした。
 うちの実家は、ある意味、そのポリシーを具現化したような家で、壁なんかベニア板一枚張ってあるようなところもあって、子ども心に「なんで建築士なのにこんなにそっけないうちをつくるんだろう?」って思ったものです。親に聞いたら「この家は、目に見えないところに最高のモノを使ってあるんだ。見た目に誤魔化されるな」みたいなことを言われた。目に見えるところはいつでも気に入らなきゃ直せる。子どもにはその意味なんて分かりませんでした。もっとカッコイイおうちがよかったな~っておもった。いまごろになって、父親が言っていたことの意味が分かってきたな。30年経っても、どこにもガタがこない。

 トラックは火を噴き、乳製品もハムも安心して食べられない。マンションも安心して買えない世の中。誠実な仕事をしてお金がないのと、適当な逃げ道を見つけて安易な仕事をしてお金がある人がいて、前者が「負け組」、後者が「勝ち組」になってしまう。そんな中で、「人の信用を失うような生き方はするな」といわれました。重い言葉だね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
かっこいいお父さんですね。 (ゆい)
2005-12-09 17:53:25
考えさせられる内容デスネ。



真面目に生きてる人だけ損するような世の中はイヤですね。玉野さんのお父さんは素晴らしい人ですね。人間も外見じゃなくて中身ですね。素敵なお父さんでいいデス!
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コメントありがとう! (玉野)
2005-12-09 23:53:11
そうそう。

それでも誠実を貫かないとどこかでしっぺ返しが来るんだと思います。
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