原題:『ファーストラブ』
監督:堤幸彦
脚本:浅野妙子
撮影:唐沢悟
出演:北川景子/中村倫也/芳根京子/板尾創路/石田法嗣/清原翔/高岡早紀/木村佳乃/窪塚洋介
2021年/日本
「ファーストラブ」と呼ばれる理由について
父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生の聖山環菜を担当することになった、主人公で公認心理師の真壁由紀は環菜と共通したトラウマを抱えている。環菜は小学生の頃に父親で画家の聖山那雄人が半ば強制でデッサンのモデルをさせられていたのだが、彼女の両脇には裸の男性モデルが立っており、授業後には好奇な目つきをした画学生たちの相手をしなければならなかった。由紀の父親は東南アジアに行っては少女買春をしており、ある日彼女は父親の車のダッシュボードから大量の少女の写真を見つけてしまう。
そこで鍵となるのがタイトルにもなっている「初恋」なのである。何故ならば初恋こそ嫌いな父親から逃れられるチャンスだからなのだが、環菜の初恋の相手である、当時コンビニ店員だった小泉裕二は画学生たちと同様に欲望に負けてしまい環菜を助けてくれることはなく、由紀と彼女の初恋相手で大学の先輩だった庵野迦葉は誤解によって喧嘩別れしてしまうのである。
幼女に対する淫行は言語道断ではあるにしても、由紀と夫である真壁我聞に子供がいないことが気になる。仮に我聞が由紀に性欲を禁じられているのならば、男性にとってはなかなか厳しい話ではないだろうか。