原題:『リスタートはただいまのあとで』
監督:井上竜太
脚本:佐藤久美子
撮影:中澤正行
出演:古川雄輝/竜星涼/村川絵梨/佐野岳/中島ひろ子/蛍雪次朗/甲本雅裕/三浦理奈
2020年/日本
そもそも共感できない主人公の性癖について
主人公の狐塚光臣は高校卒業後に故郷の長野県から東京に出て10年働いていたのであるが、仕事の上で上司と意見が合わずに退職して故郷に戻って来る。仕事が見つかるまで同い年の熊井大和の実家の農園を手伝うことになるのだが、雇われている身でありながら最初はやる気を見せず、寝坊で遅刻をする光臣の仕事に対する姿勢に違和感がある。高校を卒業したばかりならばそういうこともあるだろうが、10年間も東京で社会人として暮らしていながら、全く経験が役にたっていないのである。
しかしその後は心を入れ替えて仕事に熱心に打ち込むのだから、キャラが完全にブレているのである。東京で光臣がどのような人間関係、特に女性関係を築いていたのかという描写もなく、ここにはBL以前の問題があるように感じる。