MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ヒットマン エージェント:ジュン』

2020-09-28 00:49:23 | goo映画レビュー

原題:『히트맨』 英題:『Hitman: Agent Jun』
監督:チェ・ウォンソプ
脚本:チェ・ウォンソプ/シン・ジョンリョル
撮影:パク・セスン
出演:クォン・サンウ/ファンウ・スルヘ/イ・ジウォン/ホ・ソンテ/チョン・ジュノ
2020年/韓国

「漫画的」な描写について

 父親がテコンドーの銀メダリストで母親が体操の選手だったジュンは家族で乗っていた自動車にトラックがぶつかって両親が亡くなってしまい孤児院にいたのだが、ジュンの素性を知った国家情報院のドッキョにスカウトされて、猛攻隊と呼ばれる政府の暗殺組織に加わることになる。
 ジュンは優秀な成績を上げるのだが、元々漫画家志望だったジュンは事故を装って行方をくらまし、15年後の2019年5月頃、念願だったウェブ漫画家として妻のミナと娘のガヨンと暮しているのだが、彼が描く漫画は全く売れず妻の稼ぎで暮らしている。
 ある日、酔った勢いでそれまで隠していた過去の猛攻隊としての活躍を描くものの、身の安全のためにジュンは発表するつもりはなかったのだが、それを読んで面白がったミナが勝手にそのままメールで送ってしまい、それが評判となってしまい、その作品を読んだ国家情報院のドッキョとマフィアのジェイソンの双方に目を付けられることになり、国家情報院にガヨンを、マフィアにミナを人質に取られるのである。
 ここまでのストーリーの流れは良かったのであるが、三つ巴となった途端に「漫画的」になってしまう。例えば、ジェイソンに捕まっていたミナが酔っ払った勢いで「酔拳」のようにジェイソンの手下たちを次々となぎ倒すのだが何故か結局捕まったままなのである。かなりの銃弾が飛び交ったはずなのだが、死体が転がっているようなシーンもなく、コメディーと悪ふざけの境が曖昧でしらけてしまうのである。それは実写と漫画の演出の使い分けというものが分かっていないとも言える。


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