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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『孤独な天使たち』

2014-03-25 22:17:25 | goo映画レビュー

原題:『Io e te(僕と君)』
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
脚本:ベルナルド・ベルトルッチ/ニコロ・アンマニーティ/ウンベルト・コンタレッロ
    フランチェスカ・マルチャーノ
撮影:ファビオ・チャンケッティ
出演:ジャコポ・オルモ・アンティノーリ/テア・ファルコ/ソニア・ベルガマスコ
2012年/イタリア

 デヴィッド・ボウイ「スペイス・オディティ」の訳について

 精神科医に対して「正しさとは何か?」と問いかけ、母親のアリアンナに近親相姦を誘う主人公の14歳の少年のロレンツォはかなりイタい子供である。学校には友達が一人もいないようで、学校の1週間のスキー旅行に行く振りをしてサボり自分が住むアパートの地下室にこもってしまう。
 孤独を存分に楽しもうとしていたところ、2日目に突然現れたのは異母姉のオリヴィアである。彼女は薬物中毒者でもあるのだが、そんな彼女との関わりの中でロレンツォの心情が変化したのかどうかは何とも微妙ではある。興味深い点はデヴィッド・ボウイの「スペイス・オディティ」の使われ方である。ロレンツォとオリヴィアが抱き合って踊るシーンではイタリア語ヴァージョンが流されるのであるが、ラストではオリジナルの英語ヴァージョンが使われている。それぞれを日本語訳してみる。

「Ragazzo solo, ragazza sola(Lonely Boy, Lonely Girl)」David Bowie 和訳

僕の心はちょうど飛び立ったばかりだ
ある考えが、何も従えずに
街が眠っている間に僕は歩く
夜の中の彼女の瞳
夜の中の白く光る燈籠
僕に語り掛けてくる声
誰かいるの?
孤独な少年よ
僕に教えておくれ
君はどこに向かおうとしているのか?
何故そんなに痛がっているのか
間違いなく君は偉大な愛を失ったんだね
でも街は愛にあふれているんだ
孤独な少女などいるはずがない
今度ばかりは君の勘違いだ
僕は偉大な愛を失ってなどいなかったんだ
昨夜、僕は彼女に関するすべてを失ったが
彼女だけは失っていなかった
青空の下の人生の色合い
彼女のような人に僕は二度と出会えないだろう

孤独な少年よ、君は今どこに行こうとしているのか?
夜は大きな海原なんだ
もしも君が泳ぐために僕の手助けが必要ならば
ありがとう、でも僕は今夜は死にたい気分なんだ
だって分かっていると思うけれど
僕の瞳の中には天使がいるのだから
今はもう飛ぶことがない天使が......
彼女はいる
青空の下の人生の色合い
彼女のような人に僕は二度と出会えないだろう

「Space Oddity」David Bowie 和訳

地上管制からトム少佐へ
地上管制からトム少佐へ
プロテインを飲み、ヘルメットを装着せよ
地上管制からトム少佐へ
カウントダウン開始、エンジン始動
点火装置をチェック、神の愛は君とともにある
地上管制からトム少佐へ、君は見事に目標を達成した
新聞社が君の来ているシャツについて知りたいそうだ
準備が整ったらカプセルを切り離す時間だ
トム少佐から地上管制へ、ドアを超えているところだ
すごく妙な感じで浮かんでいる
今日は星が全然違って見えるよ
僕は世界のはるか上のブリキ缶に座っている
地球は青く、僕ができることは何もない
100,000マイルも超えてきたけれど、気分はすごく安定している
僕の宇宙船は行くべき方向を知っているようだ
妻に僕が心底愛していると伝えてください
彼女は分かっていると思うけれど

地上管制からトム少佐へ、君の回線は死んでしまった、何かがおかしい
トム少佐、聞こえるか?......
僕は月のはるか上のブリキ缶に座っている
地球は青く、僕ができることは何もない

 このように和訳してみるとラストシーンのロレンツォの笑顔が良いようには見えなくなってくる。そもそもオリヴィアでさえ前日の夜にロレンツォが眠っている間に密かにドラッグを入手しているのだから、ロレンツォだけが良い子になるはずがない。結局、ロレンツォは「孤独な少年」として「孤独な少女」と邂逅出来たものの、オリヴィアと別れたことで通信が途絶えた「トム少佐」に変わっただけのように見えるのである。


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タモリとみのもんたの差

2014-03-25 00:50:03 | Weblog

タモリ、いいとも終了後の仕事依頼殺到も「面倒くさい」 キムタクに本音もポロリ(デイリースポーツ) - goo ニュース
みの涙で謝罪「これからおわび行脚」(日刊スポーツ) - goo ニュース

 フジテレビの「笑っていいとも」終了後に、タモリに対する仕事のオファーが殺到して

いるようである。受けるかどうかはともかくタモリは面倒くさいらしい。「今だから話せるけど、

よく二日酔いでやりましたよ。で、番組が終わるとさっと覚めるんだ」と、しばしば二日酔いで

生放送に臨んでいた事実をバラしてしまう男に仕事の依頼が来ている一方、改めて土下座

をしてでも仕事が欲しい男もいる。何でも「ズバッと」正論を唱えていた男に仕事が来なくて、

いい加減に仕事をしていた男に仕事のオファーが殺到するなんて、人生とは皮肉なもの

なのであるが、一つ気になることは真面目な男に子供がいて、不真面目な男に子供が

いないことで、日本の少子化の原因が垣間見える。


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