MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『不毛地帯』

2014-03-16 22:12:47 | goo映画レビュー

原題:『不毛地帯』
監督:山本薩夫
脚本:山田信夫
撮影:黒田清巳
出演:仲代達矢/丹波哲郎/山形勲/神山繁/八千草薫/藤村志保/大滝秀治/田宮二郎
1976年/日本

同志に「憑依」するほどの戦争体験について

 元陸軍中佐で、11年のシベリア抑留を体験し、帰国後も部下の就職の世話などで2年間の浪人を経てから、主人公の壱岐正は履歴書を送った先の近畿商事に参謀としての経歴を買われ入社するも、頑なに戦闘機に関連した部署への配属を固辞し、繊維部門に配属される。軍事関係の仕事に関わらないと決めた理由は、もちろん辛い戦争体験があったからであろうが、作品の後半になって壱岐が急にラッキード社のF104購入に積極的に関わるようになる理由は、かつて陸軍の同僚だった川又空将補が関係していたためである。敵機に攻撃され、不時着した飛行機に乗って重傷を負った川又を救ったのが壱岐であり、壱岐が帰国してからも家族の面倒を見ていたのが川又だったために、2人は家族ぐるみで懇意にしていた。「戦争」に加担するつもりはなかったはずなのだが、川又のためには何でもしたいという気持ちが必然的に壱岐を国の主力戦闘機選定を巡る謀略に巻き込ませてしまうのである。
 だから鉄道に飛び込んで自殺した川又を密かに自宅に運んだ壱岐の家に見舞いに訪れた貝塚官房長が帰る際に、壱岐が、川又と貝塚が口論しているモノクロのシーンを回想し、怒りが爆発した壱岐が貝塚に殴りかかるシーンは、カットとしては間違っているが、川又が壱岐に「憑依」するほどの間柄であることを証明する。
 本作はいつも見るような最近の政治の裏側の縄張り争いを描いたものではない。そこには生死を共にするほどの戦争体験が隠されていることを忘れてはならないであろう。


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小保方晴子の『待つわ』

2014-03-16 19:32:40 | Weblog

理研中間報告「肝心な部分が謎」…大隅教授不満(読売新聞) - goo ニュース
あみんさん『待つわ』の歌詞
マツワ
words by オカムラタカコ
music by オカムラタカコ
Performed by アミン

 理化学研究所などが英ネイチャー誌に発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」

の論文を巡る疑惑が次々と明らかになる中で、小保方晴子研究ユニットリーダーは、

24時間監視下、「かわいいふりしてあの子/わりとやるもんだねと/言われ続けたあのころ/

生きるのがつらかった」と「あみん」の1982年の大ヒット曲『待つわ』を口ずさんでいる

のかもしれないが、勿論、小保方自身の誠意ある記者会見を「待っている」のは小保方

ではなく、私たちの方である。


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