原題:『魔女の宅急便』
監督:清水崇
脚本:清水崇/奥寺佐渡子
撮影:谷川創平
出演:小芝風花/尾野真千子/広田亮平/筒井道隆/宮沢りえ/山本浩司/新井浩文/吉田羊
2014年/日本
「実際」に飛ぶことの困難について
監督が『ラビット・ホラー3D』(2011年)の清水崇ということでかなり期待して観に行ったのであるが、どうしても『魔女の宅急便』(宮崎駿監督 1989年)と比較してしまい、疾走感が足りないように感じてしまう。
確かに箒を携えて大空を飛ぶキキの髪はなびいており、飛びながらキキが海に手をつけると水しぶきが飛ぶのではあるが、御座なりな感じが拭えない。本来ならば疾風をまともに顔に受けるキキは笑顔でいられるはずはなく、だからこそ母親はキキに「笑い顔」を求めていたのではなかったのか。修行中の身のキキならばもっと飛ぶこと自体に葛藤していても良かったはずなのであるが、アニメーションでは上手く処理されていた飛行シーンが実写では上手く演出できていないと思う。小芝風花の熱演は評価するけれど。