MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

村上春樹「ドライブ・マイ・カー」

2014-02-11 19:48:01 | Weblog

村上春樹、“たばこポイ捨て”批判にコメント 単行本では「別の名前に変えたい」(ORICON STYLE) - goo ニュース

 日本テレビの「明日、ママがいない」に対する批判においても感じたことであるが、

この村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」においても、主人公の感想として

「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と書かれた部分

だけを取り上げて批判するからおかしなことになるのである。これは筋を追って

読まなければ作者の意図は分からないと思う。俳優の主人公が、専属運転手で

中頓別町出身の24歳の女性「渡利みさき」と亡くなった妻の思い出などを車中で

語り合った際に、みさきが同町について「一年の半分近く道路は凍結している」と

紹介し、みさきが火のついたたばこを運転席の窓から捨てた時に、主人公が

思ったことである。主人公が何故そのように思ったのか勘案するならば、一年の半分

近く凍結している道路を火のついたタバコを町民一体となって捨てることで溶かすため

である。この程度のギャグが理解できない大人は何を楽しみに生きているのだろうか


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『メイジーの瞳』

2014-02-11 19:11:10 | goo映画レビュー

原題:『What Maisie Knew』
監督:スコット・マクギー/デイヴィッド・シーゲル
脚本:ナンシー・ドイン/キャロル・カートライト
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
出演:ジュリアン・ムーア/アレキサンダー・スカルスガルド/オナタ・アプリール
2013年/アメリカ

子育ては誰が担うべきなのか?

 その特異な職業から疑問を呈されることはないのであるが、ニューヨーク在住の6歳のメイジーの両親が抱える問題は、本来ならば母親であるスザンナがロック歌手を引退し、アートディーラーとして世界を飛び回っている父親のビールが仕事に専念できる環境を作れればいいはずなのである。本作は敢えて母親も仕事が辞められない状況を作り出すことで、一体、子供は誰に育てられるべきなのかという問いを投げかけているのである。
 両親の離婚後に二人の家を10日ごとに行き来することになったメイジーの世話をするようになるのは元々ベビーシッターだったマーゴとバーテンダーのリンカーンである。マーゴと一緒にメイジーが訪れた海辺の家はとりあえず今は無人の売家だった。そこへリンカーンも現れ3人は一時的の家族として暮らし始め、ツアーバスで迎えに来たスザンナの誘いを断るのであるが、母親のプレゼントを受け取ったところをみるとメイジーはスザンナを見限ったのではない。タイトルの「What Maisie Knew(メイジーが知っていたこと)」を勘案するならば、マーゴやリンカーンも仕事が忙しくなれば両親のように子育てを疎かにしてしまうだろうということで、岸辺の船に向かうメイジーの顔が決して満面の笑みではない理由はそこにある。


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