MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『抱きしめたい -真実の物語-』

2014-02-06 22:42:14 | goo映画レビュー

原題:『抱きしめたい -真実の物語-
監督:塩田明彦
脚本:塩田明彦/斉藤ひろし
撮影:喜久村徳章
出演:北川景子/錦戸亮/上地雄輔/平山あや/佐藤江梨子/國村隼/風吹ジュン
2014年/日本

結局、女優の熱演には勝てない工夫を施された演出について

 絶対に普通のいわゆる「難病もの」にならないようにと、例えば、主人公の小柳雅己と山本つかさのメリーゴーランドにおける不恰好なキスシーンをはじめ、雅己が付き合っていた彼女に別れを告げる際に、店のカウンターで突然緑の瓶で彼女に殴られるシーンや、熱いはずであろう室内のストーブの煙突からカメラを左にパンさせて襖が開くと、障碍者と結婚をすると宣言した息子に対して怒り心頭の父親の小柳武雄の顔のアップが映されるシーンなど、塩田明彦監督の演出はかなり工夫が施されているものの、結局、涙を誘うのは北川景子の熱演である。


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ハントの「良心の目覚め」

2014-02-06 00:55:34 | 美術

 引き続き「テート美術館の至宝 ラファエル前派展」の作品に関する話である。

上の作品はウィリアム・ホルマン・ハント(William Holman Hunt)の「良心の目覚め

(The Awakening Conscience)」(1953-54)である。不思議なことは絵ではなくて

額縁に書かれているソロモンの格言で、"As he that taketh away a garment in cold

weather, so is he that singeth songs to an heavy heart"を訳すと「寒い気候の中で衣服を

脱がせるように、彼はふさぎ込んだ心に歌を歌う」となるのであるが、明らかに

絵の内容と矛盾している。ウィキペディアで調べてみると、本作の制作を依頼した

マンチェスターの資本家でパトロンのトーマス・フェアベアン(Thomas Fairbairn)の

リクエストによるもので、ハントはこの格言を刻んだことを後悔していたようである。


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