MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ダラス・バイヤーズクラブ』

2014-02-25 23:40:27 | goo映画レビュー

原題:『Dallas Buyers Club』
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
脚本:クレイグ・ボーテン/メリッサ・ウォーラック
撮影:イヴ・ベランジェ
出演:マシュー・マコノヒー/ジェニファー・ガーナー/ジャレッド・レト/スティーヴ・ザーン
2013年/アメリカ

「ロデオ」で勘違いを修正する方法について

 アメリカのテキサス州ダラスに住む主人公のロデオカウボーイのロン・ウッドルーフがエイズを患うことから始まるドラマは、まるで勘違いを修正していくロードムービーの様相を呈する。1985年7月頃の物語は、まだエイズに関して正確な知識がなく、エイズに罹患したロンが仲間から除け者にされることは仕方がないが、マッチョが売りのようなロンは、入院先で同室になったレイヨンがゲイであるということだけで嫌うのみならず、女性であるというだけでやがて協力者となる医師のイヴ・サックスよりも、敵になるセヴァード医師を信頼していたほどである。
 図書館で猛勉強の末に未認可医薬品である「ジドブジン(AZT)」が臨床試験段階にあることを突き止めたロンは、看護師を買収してAZTを秘密裏に入手し、とりあえず30日と言われた余命を生き延びるのであるが、体調が万全になることはない。AZTが入手できなくなり、看護師のアドバイスで訪れたメキシコで投薬された「抗レトロウイルス薬(ddC)」や「ペプチドT」で3カ月後に劇的に体調が改善し、その存在を知るのであるが、これもアメリカでは認可されておらず、密輸したことをきっかけにロンがクスリを売り、レイヨンがHIV陽性の仲間たちを患者として集めることで「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立し、さらに新薬探しに世界中を飛び回ると同時に、AZTの重篤な副作用を問題視するのであるが、それはやがて薬品会社と食品医薬品局(FDA)と対立する要因になる。
 ロンがレイヨンが壁に貼っているイギリスのバンド「T・レックス」のヴォーカリストのマーク・ボランの写真を見て、イギリスのバンド「カルチャー・クラブ」のヴォーカリストのボーイ・ジョージと言うのであるが、どう見てもボーイ・ジョージとマーク・ボランを見間違えることはないと思う。しかしテキサスのマッチョ男としてその分野に無知であるということならば納得もいく。同様にレイヨンが異性愛者のマーク・ボランをゲイの「ディーバ」として崇めていた理由もマーク・ボランが「グラム・ロック」の先駆者であり、同時に地理的な要因からくる勘違いなのであろう。
 日本の描写に関する「勘違い」が指摘されているが、意外と早く終わるエンドロールからも分かるように、本作は低予算で製作されており、いまだに多くのハリウッド大作が日本の描写を間違えているのだから多少は大目に見てもいいと思う。寧ろ、作品の冒頭で仲間がロデオをしている様子を見ながら3Pをしているロンが、最後に自らロデオをする(=行動する)ことで、あらゆる勘違いを修正していく過程を評価するべきであろう。


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NHKの「将軍様」

2014-02-25 22:53:52 | Weblog

NHK理事10人全員「辞表出した」 国会で次々答弁(朝日新聞) - goo ニュース
NHK籾井会長に異例の再注意 経営委「言動慎んで」(朝日新聞) - goo ニュース
会長、全理事の辞表集める=理由は明言せず―NHK(時事通信) - goo ニュース

 就任会見で従軍慰安婦や靖国神社などに関する私見を披露し、今月12日のNHK

経営委員会において「大変な失言をしたのでしょうか」と述べた籾井勝人NHK会長は

やはり自分の発言が世界中でどのように受け止められるのか想像できないようである。

重要なことは発言が正しいのか間違っているのかではなく、発言を聞いた各国がその発言

をした人物を信用するに値するかどうか知られずに判断されてしまうことなのである。

旧日本軍の慰安婦問題に関し「どこの国にもあった」と名指しされた「どこの国」も

良い思いをするわけがなく、NHKの会長は信用できないと判断された結果が、米大使館が

NHKのキャロライン・ケネディ駐日米大使インタビュー取材申し込みに難色を示した

ことにつながるのである。そんなバカにNHKの全理事10人が、日付の入っていない

辞表を提出させられたというのであるから、たまったものではない。


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